2019年
6月
03日
月
「何を今さら・・・」と言われてしまうかもしれませんが、今とてもUD社の「花と動物シリーズ」が気になっています。
当店ではこのシリーズの「クライヌリッシュ14年」をご提供していますが、このシリーズを知れば知るほどお店に置きたくなるシングルモルトがイッパイ。
そこで今回はUD社「花と動物シリーズ」の中から一気に5種のシングルモルトを入れましたのでご紹介しますね。
UD社(ユナイテッド・ディスティラリーズ社)は、スコットランドで多くの蒸留所を所有しているウイスキー関連会社で、ブレンデッドスコッチ「ジョニーウォーカー」や有名なシングルモルト「タリスカー」、「グレンキンチー」、「ラガヴーリン」、「カリラ」等を販売しています。
現在は経営統合がなされてMHD ディアジオモエへネシー㈱。
UD社は、これまで経営不振に陥っていた小さいけれどユニークなシングルモルトを造っている蒸留所を積極的に保護・所有してきました。
そこで、所有している各蒸留所の個性を広く認知・理解してもらうために、オフィシャルボトルとしてラベルに花や動物のイラストをあしらったシングルモルトを発売したのが「花と動物シリーズ」です。
ボトラーズではなくあくまでも自社所有蒸留所のシングルモルトであるため各蒸留所の特徴がとても顕著に現れています。
またオフィシャルだと桁が1つ違うような高価なレアモルトが、気楽に飲めるようになったのが大変魅力的。
特徴的なのはラベルで、各蒸留所に関係する花や動物をあしらったデザインとなっています。
どれも綺麗なデザインばかりなので見ているだけで楽しくなりますよ!
このシリーズは、1992年のリリース以来全部で26種類あるそうですが、現在では全種類を揃えるのはほぼ不可能とか・・・・。
今回当店でご提供できるUD社「花と動物シリーズ」は、既存の「クライヌリッシュ14年」を含め下記の6本となります。
◆「マノックモア12年」
SPYSIDE MALT(スペイサイド・モルト)
ラベルに描かれているのはグレイト・スポッテッド・ウッドペッカー(キツツキの一種)。
ゲール語で「大きな丘」の意味を持つマノックモア蒸留所の創業は、1971年。
同蒸留所の原酒は、「ヘイグ」や「ディンプル」のキーモルトとして有名。
「マノックモア12年」は、アルコールの刺激はほとんど無く、花のようにフレッシュな香りとフルーティな味わい。
ウイスキーとは思えないほど飲みやすくて華やかな香りが最高!
余談:酒、グルメコミックスである古谷三敏「BARレモン・ハート」でも紹介されています。
シングル:1,100円
◆「インチガワー 14年」
SPYSIDE MALT(スペイサイド・モルト)
ラベルに描かれているのはハイランドでよく見かけられるオイスター・キャッチャー(ミヤコ鳥)。
ブレンデッドウイスキー「BELL」「ホワイトホース」や「ジョニーウォーカー」の原酒としても使用されています。
シングルモルトとしてボトリングされるのは総生産量のわずか1パーセントで、一時終売になった希少性の高いモルト。
「インチガワー 14年」の特長は、個性的な塩辛さ。
と言うのも、インチガワー蒸留所はスペイ川の河口からさほど遠くない土地に位置しており、海の影響を受けているからと言われています。
口に含んだ香り、グラスの残り香・・・、ドライで塩っぽく、いつまでも舌の上で余韻を放つ。
複雑でコクがありスペイサイドの隠れた銘酒の一つ。
シングル:1,400円
◆「グレンエルギン12年」
SPYSIDE MALT(スペイサイド・モルト)
有名な評論家達から「グレンエルギンは将来的にシングルモルトで栄えていくだろう」、「あまりにも長い間隠されていたすばらしいモルト」と評された「グレンエルギン12年」。
グレンエルギン蒸溜所は、1898年創業。
ここで造られるグレンエルギンは、「ホワイトホース」のキーモルトの一つとしても有名。
「グレンエルギン12年」の特長は、蜂蜜を思わせる甘い味わいとスペイサイド特有のフルーティで甘く飲みやすいモルトに仕上がっていることです。
口にすると、蜂蜜のように甘い味と柑橘系のほのかな香りが広がり、絶妙なコクと心地よい味わいを堪能できます。
香りも味わいもとても優しく、全ての工程が手作業で造られた「グレンエルギン12年」。美味しいです!
シングル:1,100円
◆「ストラスミル12年」
SPYSIDE MALT(スペイサイド・モルト)
1823年創業の製粉所が前身のグレンアイラ蒸留所が、ロンドンジンで有名なギルビー社に買収されストラスミル蒸留所に改名。
現在はディアジオ社傘下に。
ストラスミル蒸留所は、全世界で2番目の販売量を誇るブレンデットウイスキー「J&B」等のブレンデッド用の原酒を造る為の蒸留所であり、シングルモルトとしては殆どボトリングされていません。
オフィシャルやボトラーズもほぼ出回っていないので、幻のボトルと言われていました。
1992年にスタートしたUD社の「花と動物」シリーズの一つとしてシングルモルト「ストラスミル12年」が2001年に発表。
地区特有の熟した濃厚な果実のような芳香、スパイシーさもあるキリっとした味わいが特徴。
シングル: 1,200円
◆「グレンスペイ12年」
SPYSIDE MALT(スペイサイド・モルト)
このラベルの鳥が何なのかは調べてもわかりませんでした・・
グレンスペイ蒸留所は、元オートミール工場を改造して作られた蒸留所で1887年グレン・スペイに改名。
ジャパニーズ・ウイスキーの祖 竹鶴政孝が修行した蒸留所としても有名。
グレンスペイ蒸留所で造られる原酒のほとんどは、ブレンデッドウイスキー「J&B」に使用されており、オフィシャルはもちろんシングルモルトとしてもほとんど出回らず極めて入手困難なシングルモルト。
「グレンスペイ12年」の味わいは、上品で爽やかなシトラスとスッキリとしたハーブの香りが心地よい比較的ドライな味わいです。
希少シングルモルトです。
シングル:1,100円
◆「クライヌリオッシュ14年」
ハイランド・モルト
長いウイスキーの歴史の中で常に高い評価を得てきた「クライヌリオッシュ14年」。
1819年創業の「クライヌリオッシュ蒸留所」は北海に面したリゾート地ブローラに位置しているため、海沿いのモルトウイスキーとハイランドのモルトウイスキーの両方の性質を兼ね備え 「本土のモルトの中で最も海岸の味わい」と評されています。
口に含むとクライヌリオッシュ特有のスパイシーな香りとクリーミーで蜜のような甘さやフルーティーで洋梨の様な魅惑的な味わいが口中に広がります。
土屋守(著)「モルトウィスキー大全」によると、クライヌリオッシュは「知る人ぞ知る通好みの一本」であり、「昔から銘酒の誉れが高く、スペイサイドのグレンリベットと比肩しうるといわれてきた」と言っています。
14年間という長い熟成期間を経た「クライヌリオッシュ14年」は、「深く静かな余韻が残る」と評され、2015年のSFWSダブルゴールドを受賞。
余談:古谷三敏の漫画「BARレモン・ハート」にも出てきます。