2016年
12月
27日
火
本日の1曲目 ~ 追悼
・Status Quo のギタリスト リック・パーフィット 12/24 逝去
Status Quo 「Hello!」1973年
・Wham!のジョージ・マイケル 12/25 逝去
Wham!「Make It Big」1984年
2016年
12月
16日
金
USAクラシック・ロック系サイト Ultimate Classic Rockが、12月7日に亡くなったGreg Lakeの「ベスト・ソング TOP10」を発表しました。
10位 「Affairs of the Heart」 From: 'Black Moon' (1992)
Emerson, Lake and Palmer
9位 「Love You Too Much」 From: 'Greg Lake' (1981)
8位 「The Only Way (Hymn)」 From: 'Tarkus' (1971) Emerson, Lake and Palmer
7位 「Touch and Go」 From: 'Emerson Lake and Powell' (1986)
Emerson, Lake and Powell
6位 「Karn Evil 9」 From: 'Brain Salad Surgery' (1973)
Emerson, Lake and Palmer
5位 「From the Beginning」 From: 'Trilogy' (1972) Emerson, Lake and Palmer
4位 「21st Century Schizoid Man」 From: 'In the Court of the Crimson King'
(1969) King Crimson
3位 「Endless Enigma」 From: 'Trilogy' (1972) Emerson, Lake and Palmer
2位 「The Court of the Crimson King」 From: 'In the Court of the Crimson King'
(1969) King Crimson
1位 「Lucky Man」 From: 'Emerson Lake and Palmer' (1970)
Emerson, Lake and Palmer
※ 赤文字は、当店のアナログ・レコードで聴けます。
2016年
12月
06日
火
お店オープン時にかける「本日の1曲目」は、テーマを決めています。
先週は、「70年代ハード・ロック特集」でしたが、「こんなバンド知らない」というお客様が多かったのでので、改めてご紹介しますね。
● Budgie 「IN FOR THE KILL」
~英国が誇るロック史上最もヘヴィなスリーピースバンド。
Budgie(バッジー)は、1968年に結成。
メンバーは、Vo&Bのバーク・シェリー(John Burke Shelley)、Vo&Gのトニー・ボージ(Anthony James Bourge)、Drのレイ・フィリップス(Raymond John Phillips)の3人。
日本では残念な事にBudgieの知名度は低いのですが、海外では絶大な影響力をもったバンドなんです。
Budgie の曲は、MetallicaやIron MaidenやSaxonがカヴァーするほど、NWOBHM(ニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)、HM/HR史においてとても重要なバンドの1つであると位置付けられています。
Budgieは、とても実力のあるバンドですが、所謂“玄人受け”する典型的なタイプのバンドなので日本での評価が低いのかもしれません。
Metallica、Iron Maiden、Van Halen等が惚れ込んだ、英国が誇るロック史上最もヘヴィなスリーピースバンドをもう一度見直してはいかがでしょうか。
当店のアナログレコードは、1974年に発表された「IN FOR THE KILL」。
A面2曲目の「Crash Course In Brain Surgery」は、Metallicaがカヴァーしています。
●Atomic Rooster 「1st」
~E,L,P以前のカール・パーマーが在籍したバンド。
Atomic Roosterは、1969年に結成されたUKハード・ロック・バンド。
メンバーは、サイケデリック・ロック・バンド「クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン」に在籍していたキーボードのヴィンセント・クレインが中心になり、ドラムスのカール・パーマー、ベース/フルートのニック・グラハム。
音楽性は、クレインの発案で「ギターがメインのハード・ロックをキーボードメインで演奏する」というもの。
今回ご紹介した1970年作1stアルバムは、ハード・プログレッシヴ・ロックのスタイルを確立した金字塔と言われている作品です。
オルガンを中心にしたギターレスのトリオ編成ながら、ELPのようなクラシカル志向ではなくて、あくまでもハード・ロック、ブルーズロック的な質感で聴かせるサウンド。
カール・パーマーの手数の多いドラミング、どこかほのぼのとしたオルガンの音色などプログレとハード・ロックの狭間を行き来するような作品となっています。
アルバムからシングルカットされた「Friday The 13th / Banstead」は、UKで7位、USAで10位を記録しました。
●Captain Beyond 「1st」
~Deep Purple 初代Voロッド・エヴァンス(Rod Evans)が在籍したバンド
Captain Beyondは、1972年、カリフォルニア州ロサンゼルスで結成。
結成時のメンバー。
ROD EVANS(ロッド・エヴァンス)~Lead Vocals
BOBBY CALDWELL(ボビー・コールドウェル)~Drams
RARRY RHINO RAINHARDT(ラリー・ライノ・ラインハルト)~Guitar
LEE DORMAN(リー・ドーマン)~Bass
ロッド・エヴァンスは、Deep Purple第1期のリード・ボーカルで、「ハッシュ」「ケンタッキー・ウーマン」などのヒット曲と3枚のアルバムを発表。
ラリー・ライノ・ラインハルトとリー・ドーマンは、Iron Butterflyに在籍。
ボビー・コールドウェル(同姓同名のAORの旗手とは別人)は、Johnny Winter and(ライブ盤)、Rick Derringer「オールアメリカンボーイ」等、優れた演奏を残しています。
上記のような凄いメンバーが結集したCaptain Beyondの1972年に発表した1stアルバム。
作詩作曲はすべてロッドとボビーによる共作でプロデュースはメンバー全員で担当。全体的にはスペース的な広がりを持ったハード・ロック。
サウンドの基本は、ロッド・エヴァンス以外の3人がアメリカ人なのでからっとしたアメリカンハードロックなのかと思うでしょうが、ハードさとプログレッシブさが同居する複雑でドラマティックな曲展開のブリティッシュ・ハードなサウンドです。
組曲風の大作を中心としたコンセプトアルバム的な内容は、ハード・ロック好きのみならずプログレ好きな方にもオススメです。
●Cactus(カクタス) 「1st」」
Cactus は、1969年結成されたUSAハード・ロックバンド。
このバンドは、元Vanilla Fudgeのメンバーであったティム・ボガートとカーマイン・アピスが在籍していたことで有名。
この二人は、ジェフ・ベックから新バンド結成の誘いを受けていたが、ジェフ・ベックが自動車事故を起こしたため新バンドの構想は頓挫。
そこでボガートとアピスは、知り合いだった元ミッチ・ライダー・アンド・デトロイト・ホイールズ、バディ・マイルス・エクスプレスのギタリスト ジム・マッカーティーと元アンボイ・デュークスのラヴォーカル スティ・デイを誘いCactusが誕生。
都会的なセンスと完璧なリズムセクションで異彩を放ち、イギリスからも注目されていたヴァニラ・ファッジのメンバー2人と爆音系ロックのラスティー・デイ、ジム・マッカーティーがバンドを組んだことで、かなり野性的でブルージーでありながら、どこか洗練されたサウンドが誕生。
1970年に発表された1stアルバムは、ラスティの音楽嗜好が色濃く反映し格段にヘヴィさを増したアルバムです。
翌71年には2ndアルバム「One Way... Or・Anather」を発表。
ここでは、ジム・マッカーティーのギターを強調しながらも、ボガートのベースとアピスのドラムがパワー炸裂し、タイトル曲はブリティッシュ・ハードの雄ツェッペリンなどよりさらにハードでヘヴィ、しかも泥臭い本物のブルースっぽさも感じられ、“これぞアメリカン・ハード”というサウンドを確立している。
しかし、1972年にCactusは解散。
解散後、ボガートとアピスはベックと共にBBA(ベック・ボガート & アピス)を結成。
カクタスを高く評価していたロッド・スチュワートはCactus解散に対して、「ベックと一緒に活動したら、潰されてしまう。こんないいバンドがあるのに・・・」と助言したそうです。
●Quatermass(クォータマス) 「1st」~リッチー・ブラックモアに愛されたバンド
QUATERMASSは、1970年にジョン・グスタフソン(Vo&Bas)、ピート・ロビンソン(キーボード)、ミック・アンダーウッド(ドラム)が結成したトリオ・バンド。
Quatermassは、Deep Purple人脈の一つとして語られることが多いバンド。
と言うのは、1950年代からさまざまなバンドで音楽活動を続けてきたジョン・グスタフソンがエピソード・シックスというバンドに迎えられ、ピート・ロビンソンとミック・アンダーウッドのふたりと知り合ったことがQuatermass結成となりましたが、エピソード・シックスというバンドは、Deep Purple加入前のイアン・ギランとロジャー・グローヴァーが在籍していたバンドなのです。
この二人がDeep Purple加入のためにエピソード・シックスを脱退したためにジョン・グスタフソンがバンドに迎えられたという。
また、Deep Purpleを脱退してRainbow(当初は「Richie Blackmore's Rainbow」)を結成したリッチー・ブラックモアが、Rainbowのデビュー・アルバムに於いて「Black Sheep Of The Family」をカヴァーしていることからも、クォーターマスがディープ・パープル人脈のバンドとして語られる理由でも有ります。
ギターレスのトリオ編成でありながら、同じスタイルのELPとは違いあくまでヴォーカル重視で聴かせる分かりやすいサウンドです。
オルガンをバックにしたパワフルな歌唱には英国的な哀愁と叙情とを含んでおりプログレ的な展開美も楽しめます。
有名なヒプノシスによるこのプテラノドン・ジャケットのアルバムは、1970年に発表されたQuatermassのオリジナル・メンバーによる唯一のアルバムでハモンドオルガンが鳴り響くプログレ風味のハード・ロック。
前衛的で先鋭的な実験性を孕み、1970年前後のロック・ミュージックというものが持っていた熱気のようなものが溢れています。
たった一枚のアルバムだけを残したクォーターマスだが、それだけにこのアルバムは「ブリティッシュ・ロック」に於ける秘宝のような輝きを放っており必聴盤だと思います。
A面2曲目の「Black Sheep Of The Family」は、Richie Blackmore率いるRainbowの1stアルバム「邦題:銀嶺の覇者」でカヴァーされています。
アルバムのクライマックスは10分を超える大作「Laughin' Tackle」は、ジャズ・ロック風に展開するインストゥルメンタル曲ですが、途中にドラム・ソロやストリングスも加えた演奏はなかなかスリリングな魅力を放っています。