資料を読んで驚いたのは、作曲家としての下積み時代に彼を支えていたのが、あのマレーネ・ディートリッヒとか・・・。
若い方はご存じないでしょうが、マレーネ・ディートリッヒはベルリン出身の女優。
1930年代からはハリウッド映画に進出し俳優・歌手として活躍した大スターで、第二次世界大戦中には反ドイツの立場でドイツの歌謡曲「リリー・マルレーン/Lili Marleen」を唄った伝説の歌手。
そんな大スターの彼女が50年代、バカラックが不遇だった時期にマレーネ・ディートリヒが彼の才能を見抜いてバックに起用したそうです。
凄い人に支えられていたんですね!
ディオンヌ・ワーウィック ジーン・ピットニー
トム・ジョーンズ ダスティ・スプリングフィールド
スタイリスティックス カーペンターズ
バカラックはその後、作詞家のハル・デヴィッドと出会いコンビで作詞作曲を開始。
ディオンヌ・ワーウィックのヒット曲「Don't Make Me Over」やカーペンターズもカヴァーしている「(They Long To Be)Close To You」など、後世に残る数々の名曲を発表。
コンビは1970年代まで続き、“バカラック・サウンド”と呼ばれる独特のスタイルを生みだしています。
1960年代から映画音楽の世界でも活躍。
映画「何かいいことないか小猫チャン」、「アルフィー」、「007/カジノ・ロワイヤル」、「明日に向って撃て!」、「ミスター・アーサー」などのサウンドトラックを担当。
特に1969年、映画「明日に向って撃て!」ではアカデミー作曲賞、歌曲賞を受賞。
B.J.トーマスが歌う挿入歌「雨にぬれても」は大ヒット!
1981年に映画「ミスター・アーサー」で再びアカデミー歌曲賞を受賞した。
1996年には、映画「グレイス・オブ・マイ・ハート」の主題歌をエルヴィス・コステロと共演し、アルバム「Painted from Memory」でグラミー賞を受賞。
2008年にはグラミーで生涯功労賞を受賞しました。
これまでに彼の楽曲をカヴァーしたアーチストは1000人以上とか。
中には、スタン・ゲッツやピアノの名匠マッコイ・タイナー、ビル・エヴァンス、ウェス・モンゴメリー、ジョージ・ベンソン等など超有名なジャスミュージシャンも数多くカヴァーしています。
Burt Bacharachは時代を超越した大スターでしたね。
本当にお疲れさまでした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
《 当店でBurt Bacharachの作品が聞ける所有レコード 》
・ジーン・ピットニー 「恋の痛手」(1962)
・トム・ジョーンズ 「何かいいことないか、子猫ちゃん」(1965)
・ダスティ・スプリングフィールド 「恋の面影」(1967)
・スタイリスティックス 「ユール・ネバー・ゲット・トゥ・ヘブン/邦題:遠い天国」(1973)
・1962年の映画「リバティ・バランスを射った男/原題:The Man Who Shot Liberty Valance」:ジョン・ウェインとジョン・フォードのコンビ最後の西部劇。
ジーン・ピットニーが歌ってヒットした同タイトル曲は、この映画のために作られた楽曲ですが、作中では使われませんでした。
・1965年の映画「何かいいことないか子猫チャン/原題:WHAT'S NEW, PUSSYCAT?」の主題歌を トム・ジョーンズSir Thomas Jones Woodwardが歌いう大ヒットしましたが、作中では使われませんでした。
・1967年の映画「007 カジノロワイヤル Casino Royale」。ご存知イアンフレミングの作品で主題歌「恋の面影」をダスティ・スプリングフィールドが歌い大ヒット。
・1969年の映画「明日に向って撃て! Butch Cassidy and the Sundance Kid」
・1981年の映画「ミスター・アーサー Arthur」
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