Gerry Marsdenは、兄のフレディ・マースデン等と一緒に1959年にGerry Marsden and The Mars Barsを結成。
地元リヴァプールのナイトクラブやパブにも出演し少し名前が知られるようになった時、あるチョコレート会社の商品名がMars Barsであるというクレームがありバンド名をGerry and the Pacemakersに改名。
当時、Beatles、Searchers、Rory Storm & The Hurricanes(リンゴ・スター在籍)、Swinging Blue Jeans等とキャバーン・クラブや西ドイツのハンブルクのクラブに出演。
地元リヴァプールでは既にBeatlesと並ぶ人気だったそうです。
彼らの演奏力の高さと楽曲の幅広さに目を付けたブライアン・エプスタインがマネージメントを買って出、EMI傘下のコロンビアレコードと契約し、ジョージ・マーティンがプロデューサーに。
結果、ブライアン・エプスタインとジョージ・マーティンのコンビで、1963年「How Do You Do It ?/邦題:恋のテクニック」でデビュー。
デビュー曲から連続3作、UKシングル・チャートで1位を獲得。
彼等のデビューに関し、面白い話があります。
もともと「How Do You Do It?」は、ジョージ・マーティンがBeatlesのデビュー曲として用意していた曲だそうです。
しかしビートルズは自分達の作った曲でデビューしたいと主張したため、この曲はGerry and the Pacemakersに。
因みに、Beatlesはオリジナル曲「Love Me Do」でデビューしたが、全英チャートで最高17位に終わった。
しかし、「How Do You Do It?/邦題:恋のテクニック」は1963年3月にリリースされいきなり全英チャートで1位を獲得。
面白いもんですよね!!
その後、5月にBeatlesの「From Me To You」に抜かれるが、6月に2作目シングル「I Like It」で「From Me To You」を抜いて再び1位に上がるなど、Beatlesとヒット・チャートで競い合う状態が続きます。
1964年には「ブリティッシュ・インヴェイジョン」の波に乗りアメリカへ。
アメリカでデビュー曲が発売され、ビルボードのシングルチャートで9位にランク・イン。
しかし、アメリカでは成功せず、1966年10月にグループは解散。
ジェリー・マースデンが世界中で愛されるようになったのは、3作目で4週連続UKシングル・チャート1位を獲得した「You'll Never Walk Alone」から。
この曲は、元々はミュージカル「回転木馬」用の曲でしたが、発表後ホームスタジアムで試合のハーフタイム中に流したところ大好評を得、リクエストが殺到。
4週連続でUKシングル・チャート1位を獲得。
その後、地元のサッカークラブ「リヴァプールFC」の愛唱歌となり、世界中のサッカーファンに長年愛される曲となります。
そこで、彼は1985年にザ・クラウドというバンドを結成し同曲を再発。
売れたレコード等の収益金は、同年5月に発生したブラッドフォードのスタジアム火災事故で被災された方達の見舞金に充てられたそうです。
また、1989年にシェフィールドのヒルズボロ・スタジアムで発生した群集事故(ヒルズボロの悲劇)の際には被災者支援のために「マージー河のフェリーボート」を再発。
同曲は、UKチャートで3週連続1位を獲得し、同じく収益金は寄付されたそうです。
2018年に引退したジェリー・マースデンは、生涯を通してチャリティに3500万ポンド(約49億円)を寄付したそうですよ!
本当に素晴らしい人を亡くしました。
改めて心より合掌・・・。
●当店所有のリバプール・サウンドのアナログレコード/一部
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