伊東潤さんがご来店の時に頂戴しましたサイン本。
Doorsの「Light My Fire」を聞きながら読みました。
ハッハッ~、冗談です。
この本、とても面白いですよ。
京急八丁畷駅近くの簡易宿泊所の放火事件(2015年に実際におこった火災)を追う寺島刑事が入手した「1970」「H・J」と記載されたノートから日本中を震撼させた「よど号」(作中では、「さど号」)ハイジャック事件の犯人の中に公安がいた、という大胆な仮説に基づいた意欲あふれる力作。
時代背景が僕らの年代にぴったり。
とても身近な事件・事柄が頻繁に出てきます。
東大闘争、70年安保闘争、早大闘争、ベ平連及び小田実・鶴見俊輔・開高健、新宿西口フォークゲリラ、赤軍派、京浜安保共闘、東アジア反日武装戦線「大地の牙」、三井物産爆破事件、よど号事件・・・・・。
読みながら学生時代のことが脳裏に浮かびとても懐かしくなりました。
あの頃はいろいろなことがありましたね。
毎日がドラマでした。
ストーリーもテンポ良く展開。
ヒロインへの恋慕・嫉妬、革命に燃える若者たちの熱気、自分自身の矛盾する立場・懊悩……。
当時の学生運動の様子、ハイジャック事件の詳細、北朝鮮での洗脳教育等々、目まぐるしく変わる状況とスリリングな展開。
伊東さん曰く「この作品は、現代編の「刑事マルティン・ベック・シリーズ」的な地道な捜査パートと、過去編の「24」的ジェットコースター展開をサンドイッチ構造にし、ダッシュとクールダウンを繰り返すことで、読者に体験型アトラクションのような快感を楽しんでもらうことを目指したまさにハリウッド映画の手法」。
読んでいて、熱いものが込み上げてきます。
しかし、あの時代は本当に熱い時代でしたよね。
現在では考えられないほど、あの時代は“熱い”。
伊東さんも「当時の社会の空気や若者たちの情熱を今の時代を生きる人々に伝えたい。身近にまだ生存者がいるうちに学生運動を描くことによって、彼らの情熱に触発されて、今の若い人たちが自分の生き方について、真剣に考えるきっかけになってくれれば幸いです」と。
Rockを聞きながらこの本を読めば、君も熱く生きていけるかも・・・ネッ!
コメントをお書きください