★レコード紹介「Moody Blues」

Moody Bluesは、ジミー・ペイジが「本当にプログレッシブなバンドは、ピンク・フロイドとムーディー・ブルースだけだ」と言っているようにプログレの草分け的存在。

 

ムーディー・ブルースを初めて聞いたのは、高校3年の時。

 

ラジオの洋楽ベスト10番組で紹介されたのが「サテンの夜/Nights in White Satin」。

 

「何と綺麗な曲なんだろう」と一発で好きになりましたが、当時リバープール・サウンドのレコードばかり購入していたので資金無し。

 

友達から借りた「サテンの夜」のシングル盤を聞いていました。

 

当時、ムーディー・ブルースに関しての情報は本当に少なくってね、イギリスといえばビートルズ、ストーンズ、アニマルズ、キンクス、フー、クリーム、キンクリ、ピンク・フロイド等々の情報ばかりで、ムーディー・ブルース=「サテンの夜」しか無かったんです。

だから、当然ムーディー・ブルースがプログレ・バンドとは知りませんでした。

 

しかし、後年購入したアルバム「デイズ・オブ・フューチャー・パスト」に針を落として・・・・・・、ビックリ!

きれいな曲を作るロック・バンドとばかり思っていたら、このアルバムは切れ目なしのコンセプト・アルバム。

オーケストラとの競演で、今まで聞いたことのない全く新しいロックのスタイル~シンフォニック・ロックには驚きました。

 

目を閉じ聞いていると、もう映画。

頭の中に映像が現れる完璧なサウンド・トラック。

慌ててその他のアルバムを購入しました。

 

ということで、当店所有のMoody Bluesアナログ・レコードをご紹介しますね。

Moody Blues(ムーディー・ブルース)は、イングランド出身のプログレッシブ・ロックバンド。

 

音楽にいち早くメロトロンを取り入れ、シンフォニック・ロックの礎を築いたプログレの草分け的存在。

 

1964年に結成。

 

当時のメンバーはレイ・トーマス(先日亡くなりましたね!)、マイク・ピンダー、グレアム・エッジ、デニー・レイン、クリント・ワーウィックの5人。

 

ビュー当時は、R&B系グループとして活動。

1965年に発表した1stシングル「ゴー・ナウ!」は、全英1位・全米10位の大ヒットを記録。

 

1966年にクリント・ワーウィックとリード・ボーカル・ギターを担当していたデニー・レインが脱退。

 

余談ですが、脱退したデニー・レインは、後にポール・マッカートニー率いるWingsに加入します。

2人の脱退に伴い、ジョン・ロッジとジャスティン・ヘイワードが参加し、ムーディー・ブルース最強のゴールデンメンバー5人が揃います。

 

この頃、マイク・ピンダーが購入したメロトロンにより愁いを帯びたそのサウンドが生れ、「制服を脱ぎ、古いナンバーを捨て、古いムーディー・ブルースを捨て(ジャスティン・ヘイワード)」、新しいロックへと進みます。

 

そこで出来上がったのが、1967年発表の2ndアルバム「デイズ・オブ・フューチャー・パスト」

オーケストラとの競演で新しいロックのスタイルを築き上げたこのアルバムは大ヒット。

 

その後、1968年「失われたコードを求めて」、1969年「夢幻」、1971年「童夢」等のアルバムが英米で大ヒットを記録しています。

 

ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエス、EL&P、ジェネシス等と共に196070年代のプログレ・ムーブメントを支えたバンドの一つとなりました。

 

80年代に入り、マイク・ピンダーが脱退し、代わりに元イエスのパトリック・モラーツが加入し音楽性がかなり変わって来ますが、1981に発表した「Long Distance Voyager」からシングルカットされた「Gemini Dream」が大ヒット。

全米で3週連続1位を獲得しています。

 

ムーディー・ブルースは、80年代も生き抜いた数少ないプログレ・バンドの一つなので、是非聞いてください。

◆「Days Of Future Passed

 

1967年に発表された2ndアルバム。

 

プログレッシヴ・ロックを誕生させた1枚として高く評価されています。

 

シングルカットされた「サテンの夜」は、発売当時は全英19位のヒットでしたが、1972年にラジオ局から人気に火がつき、全英9位・全米1位・カナダ1位となる大ヒットを記録。

 

アルバムも発売からなんと5年後にUSチャートで1位に輝いた名盤ですよ。

 

ジャスティン・ヘイワードは、「ドゥボルザークの交響曲9番『新世界』とイギリスの古典バニアン作『天路歴程』をヒントに新しいロックを生み出した」と言っています。

 

本当に素晴らしいアルバムですよ!

◆「In Search Of The Lost Chord/邦題:失われたコードを求めて」

 

1968年発表の3rdアルバム。

 

「ドラッグ体験とは、どんなものか」をコンセプトにした作品。

 

ジャケットはおどろおどろしい感じですが、メロトロンやシンセ等の電子楽器など、五人のメンバー全員が複数の楽器を操ることによて重厚なサウンドを実現。

 

このシンフォニック・ロック作品の成功により、以降“世界一小さなオーケスト”と言われるようになります。

いかにも英国然とした湿りけのある叙情、フルートなども加わって牧歌的な味わい、アコースティカルな要素も上手く取り入れ、メロディアスな聴きやすさが溶け合った逸品です

 

UK5位、USA23位を記録。

◆「To Our Children's Children's Children/邦題:子供たちの子供たちの子供たちへ」

 

1969年発表の5thアルバム。

 

自ら設立したレーベル「スレッショルド」からリリースした記念すべきアルバム。

 

1967年は、人類が初めて月に到着した年。

 

この影響を受け宇宙をテーマに作成したアルバムで、グレアム・エッジは「望遠鏡で宇宙をじっと見つめていると、地球上の人類は宇宙の広がりに比べると取るに足りない存在である」ことを表現したかったと言っています。

 

不動の五人による美しいメロディと完成されたサウンドは、他のプログレッシヴ・ロック・グループの台頭に大きな影響を及ぼしたアルバム。

 

UK2位、USA14位を記録しました。。

◆「Every Good Boy Deserves Favour/邦題:童夢」

 

1971年発表のい7thアルバム。

 

ムーディー・ブルースのみならずプログレの名盤の一つと言われています。

 

原題の意味は、“音楽を学ぶものは一つということで、子供たちが音楽を学ぶ時に最初に知る旋律~ミ・ソ・シ・レ・ファ(EGBDF)” から付けられたそうです。

 

グレアム・エッジは、「音楽学校の先生は、どんなに良い子供にもムチをもって教育するが、我々(ムーディー・ブルース)はムチ以上の愛情で音楽を表現したかった」と言ってこのアルバムを作成したそうです。

 

ロックとクラシックを最も早く融合させることに成功したムーディー・ブルースのメロトロンによるオーケストレーションが冴えわたる渾身のトータル・アルバム。

 

ジャケットの美しさとそのジャケットにふさわしい温かく優しいサウンドと曲。

 

まさにムーディーズとしての1つの頂点を示す作品。

 

UK1位を獲得、USAでも2位(3週間)を記録。

◆「This is The Moody Blues

 

1974年発表の彼らにとって初めてのBestアルバム。

 

このBest盤(2枚組)は、ムーディー・ブルースの“失われたロマンを求める旅”の総集編で、我々を“失われた世界”“幻想の世界”“幽玄の世界”“夢想の世界”へと誘っていくために構成されています。

 

このBestアルバムによりムーディー・ブルースの“失われたロマンを求める旅は終え”、次のステップに向かいます。

 

オリジナル盤同様に切れ目なく上手く曲と曲を繋げており、とても良いBest盤だと思います。

 

UK14位、USA11位を記録。

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