実に面白い久々の血沸き肉躍る小説。
松岡圭祐の作品は初めて読みましたが、上手いな~。
徹底的にエンタテイメントに徹しており、場面場面がまるで映画を見ているような錯覚に陥る、本当に面白い小説です。
テーマは、「義和団の乱」。
1900年、北京で「扶清滅洋(清をたすけ、外国勢を滅ぼす)」の旗を掲げ、外国人排斥を叫ぶ武装集団・義和団が暴徒化。
教会を焼き討ちし外国公使館区域を包囲。
20万人以上の義和団の大軍を眼前にして、北京城に立て籠もったのはわずか4000人弱。
4000とはいえど、そのほとんどが民間人で兵と呼べる数は500にも満たない。
この絶望的な少数の籠城軍、足並み揃わぬ列強11ヵ国を先導し約2ヶ月間にわたり北京城を守り抜いたのが新任の駐在武官・柴五郎率いる日本。
当時の北京城内で柴五郎とともに戦ったイギリス公使シンプソン氏は日記で「北京籠城の功績の半ばは、とくに勇敢な日本兵に帰すべきものである」と明記しています。
この「義和団の乱」は、「日本人こそ最高の勇気と不屈の闘志、類稀なる知性と行動力を示した、素晴らしき英雄たちである」と日本人を初めて世界が認めた壮絶な闘いなんです。
この「義和団の乱」をテーマにした他の作品としては、1963年封切のアメリカ映画「北京の55日」というのがあります。
主演は、「ベンハー」、「猿の惑星」などで有名なチャールトン・ヘストン。
アメリカ映画なので、当然アメリカが主役ですが・・・・。
でも、この映画も本当に面白いですよ!
DVDで出ていますので見る価値はありますよ。
主題歌もとても良いんです。
歌っているのは、アメリカのフォーク・グループ「ブラザース・フォー」。
「北京の55日」は、日本でも大ヒットしました。
「血沸き肉躍る」本も映画も大好き!!
主人公の「柴五郎」は、明治維新に最後まで楯突いた会津藩武士の末裔。
彼は世界に高く評価されており、タイムズ誌は柴五郎を「軍人中の軍人、コロネル・シバ(柴中佐)」と誉め讃えて世界に報じています。
本屋さんで見た「ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書」 (中公新書)という本がとても気になっていてね、近い内に購入しようと思っていたら、今回の本で「柴五郎」を知ってしまった。
同本は、正月用に購入しないとネ・・・・・・。
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