Fats Dominoの本名は、アントワーヌ・ドミニク・ドミノ。
とても太っていたので、芸名を「Fats Domino」としたとか。
1950年代から1960年代初期にかけてアメリカで最も売れた黒人歌手のひとりで、ストライド奏法とブギウギの影響を受けた独自のブルース調のスタイルでピアノを演奏。
1949年に「Detroit City Blues」でデビューしましたが、B面の「The Fat Man」がR&Bチャート2位の大ヒットを記録。
欧米の音楽評論家の間では、この「The Fat Man」が“史上初のロック・レコード”であるという意見が常識になっているそうですよ。
その他彼の代表曲としては、「Blueberry Hill」、「Ain't That A Shame」、「Walking To New Orleans」、「I'm Walkin'」、「Blue Monday」など多数あります。
米ビルボード誌では、15年間で65曲ものシングルがトップ100入りしており、RIAA(全米レコード協会)の統計によれば、1970年代の終わりまで売り上げレコード枚数の累計がエルビス・プレスリー、ビートルズに次ぐ第3位だそうです。
彼の影響力は凄く、ロックンロールの帝王エルビス・プレスリーも「Blueberry Hill」等をカヴァーしています。
また、英国のロック・シーン、特にブリティッシュ・ビートにも大きな影響を及ぼしています。
ビートルズやデイヴ・クラーク・ファイヴ、アニマルズ、ジョージー・フェイム等々がファッツ・ドミノのナンバーをレパートリーにしているし、唱法や演奏、作曲などもファッツ・ドミノから大きな影響を受けています。
音楽サイトUltimate Classic Rockによると、ザ・ビートルズのメンバーがまだ10代だった頃で、ジョージ・ハリスンが初めて聴いたロックの曲は彼の「I’m in Love」で、ジョン・レノンが初めて弾けるようになった曲は1955年の「Ain’t That a Shame」だったそうです。
また、ローリング・ストーンズがデビューした頃、ミックの歌う歌詞が聞き取りにくいと苦情が来たとき、ミックは得意になって「それでいいんだ!俺はファッツ・ドミノの歌を聞いて独特のサウンドを習得したんだ!」と答えたそうです。
今回初めて知ったのですが、ファッツ・ドミノは、ビートルズの「レディ・マドンナ」をカヴァーしているんですって。
ビックリですよね!
ファッツ・ドミノのレコードでミリオンセラーになった楽曲は23曲。
RIAA(全米レコード協会)の統計によると、1970年代終わりまでの彼のレコード売り上げ枚数の累計は、エルビス、ビートルズに次いで第3位だとか。
そんなファッツ・ドミノは、1986年に「ロックの殿堂」入りを果たし、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第25位を記録。
この記録からも彼の愛嬌のある笑顔、軽やかに鍵盤を弾く指先、甘く親し気な声、その巨体を揺らしながら奏でる姿が黒人層や一部のマニアックな白人愛好家だけでなく、広く全米のお茶の間レベルまで浸透していたことがわかります。
白人からも支持を得た黒人ミュージシャン、ファッツ・ドミノ。
改めて、合掌!
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