Beatlesが僕の耳に入ってくるちょっと前、中学生だった僕のお気に入りのバンドがアメリカのBeach Boys。
ラジオから流れてくるサーフィンや自動車をテーマにした軽快で明るいロックンロールナンバーと美しいハーモニーの南カルフォルニア・サウンド。
当時、僕にとってアメリカは憧れの的。
TVで放映しているアメリカのホームドラマには驚き感動満載。
自宅に靴のまま入り、ベットがあり、子供がやたらでかい冷蔵庫を開け、これまたでかい瓶の牛乳を無造作に口飲み。
リンゴをGパンにこすりつけて皮のまま食べる、草鞋のようなでかいステーキに噛りつく・・・・、見るものすべて信じられない光景。
「アメリカって国はなんてすごい国なんだ!戦争に負けるわけだ・・・」と、子供心に・・・・。
1$360円、アメリカは遠い遠い国。
そんな夢のようなアメリカの軽快な曲がラジオから流れてきたのがBeachBoys。
当時のメンバーは、ウィルソン3兄弟と従兄のマイク、マイクの友達のアル。
ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson/ベース、キーボード)
カール・ウィルソン(Carl Wilson/ギター)
デニス・ウィルソン(Dennis Wilson/ドラム、キーボード)
従兄弟のマイク・ラブ(Mike Love/ボーカル)
マイクの友達であるアラン・ジャーディン(Alan Jardine/ベース、ギター)。
デビューは、Beatles より1年ほど早い1961年。
デビューは、Beatles より1年ほど早い1961年。
Beach Boysの凄いところは、世界で初めて、自分たちで作曲し、自分たちで演奏し、自分たちでレコーディングし、成功した最初のロック・バンドだということです。
バンド名は、デニスがサーフィンをやっていたということでBeach Boysとなったそうですが、デニス以外はサーフィンができないということが分かった時にはちょっとがっかり・・・・。
だけど、サウンドが最高なので許しちゃう。
デビュー後、出す曲出す曲がヒット。
「Surfin' Safari」が全米14位、3枚目の「Surfin'USA」が全米3位、「Fun, Fun, Fun」が全米5位、「I Get Around」がついに全米No.1を獲得。
初LIVE盤「Beach Boys Concert」も全米1位を獲得。
65年発表のアルバム「The Beach Boys Today!」が、全米4位を記録。
このアルバムあたりから、従来の車やサーフィンをテーマにした歌にとらわれない作風となりシングルカットされた「Help Me Rhonda」が2枚目の全米1位に輝く。
ノリノリのイカしたサウンドと美しく若々しいコーラスでBeachBoysは、アメリカの青春像を象徴する人気ロック・バンドに。
66年には、ブライアン・ウィルソンの最高傑作でありロックの名盤と多くの音楽評論家が評している「Pet Sounds」を発表。
これを機にBeach Boysのサウンドは、大きく変わります。
グループ内では、ブライアンの心の病はますます深刻になるし、83年には次男のデニスが溺死、98年には三男のカールがガンにより死去。
結果、グループは分裂状態になりますが、マイク・ラブとブルース・ジョンストンが中心になり現在も活動を続けているそうです。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第12位。
1988年にグループは「ロックの殿堂」入り。
1998年に「ボーカルグループの殿堂」入り。
2012年2月12日には第54回グラミー賞授賞。
この授賞式では、5人の現存メンバーでは初の公式パフォーマンスを行い「Good Vibration」をマルーン5、フォスター・ザ・ピープルと共に演奏。
現在のメンバー。
ブライアン・ウィルソン、マイク・ラヴ、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストン、デヴィッド・マークス。
●当店所有Beach Boysのアナログレコード紹介
1962年発表の1stアルバム。
曲のほとんどは、ブライアン・ウィルソンが書き、外部作曲家のゲイリー・アッシャーも参加。
「ロック・サーフィン・車・女の子」という直球ど真ん中勝負の姿勢で作られており、何も考えず純粋に気持ち良く楽しくなってしまう楽曲ばかり。
収録時間はたったの25分(短か~!)しかないが、スピード感があり一気に最後まで聞きとおすことができます
でも、このアルバムには、Beach Boysの音楽基盤やウェストコースト・ロックの基礎がいっぱいに詰まっています。
初期Beach Boysは、音楽の宝庫なのでこのアルバムを出発点にして改めて時系列でロック・ミュージックを追いかけてみるとロックがもっと楽しくなりますよ!
アルバムは、全米32位。
シングルカットされた「Surfin'」は75位、「Surfin' Safari」は14位US #14、「409」は76位、「Ten Little Indians」は49位。
◆「Little Deuce Coupe」
1963年発表のホット・ロッドをテーマとしたコンピレーション・アルバム。
収録曲8曲は、わずか一日で録音されたそうですが、突貫工事にしてはクオリティの高いよくできたアルバムだと思います。
ホット・ロッドとは、サーフィンの自動車版。
歌詞が自動車関連になりますが、サウンドはサーフィンと同じ。
売上枚数が100万枚を超え全米4位を記録。
この年は既に「Surfin' USA」、「Surfer Girl」、同アルバムと1年でアルバム3枚も発表し、ブライアンの才能が本格的に花開いた年。
「Be True To Your School」は全米6位を記録。
「Spirit Of America」は、1975年に発表されたベスト盤のタイトルにもなり、まさにBeach Boys ならではの高い技量のコーラスワーク。
ジェームス・ディーンに捧げた曲でアカペラの「Young Man Is Gone」は、Beach Boysの真骨頂。
◆「All Summer Long」
1964年発表。
当時のサーフィン/ホット・ロッド・ムーヴメントを象徴するアルバム。
全体として若い男性の興味の対象である海、ドライブ、女性を歌っています。
最も有名なのは、初の全米No.1に輝いた「I Get Around」。
複雑なアレンジを施しながらも、勢の良い曲を聴いていると、当時の彼らがBeatlesを迎え撃つ臨戦体制がばっちり整っていたことがよくわかります。
当時、お金が無くってシングル盤を購入。(友達に貸している間に消えました・・・・。)
当然「I Get Around」は最高ですが、そのB面の「Don’t Worry Baby」は大好きな1曲。
タイトル曲「All Summer Long」は、映画「アメリカン・グラフィティ」のエンディング・テーマとして使用されています。
日本のバイクを歌った「Little Honda」は、全米65位を記録。
この曲は、Hondellsがカバーしています(Hondells盤もあります)。
大好きな曲「Wendy」は、全米44位。
このアルバムには、完成度の高い初期Beach Boysを代表する曲がたくさん詰まっています。
大好きな1枚です。
◆「The Beach Boys' Christmas Album」
1964年発表のクリスマス・アルバム。
12曲のうち5曲はブライアン・ウィルソン作曲のオリジナル曲、7曲はスタンダード曲。
このアルバムから「Little Saint Nick」が大ヒットし、アルバムは全米6位を記録。
「Blue Christmas」では、ブライアンが珍しく独唱を聴かせてくれます。
アカペラの「The Lord's Prayer」のコーラスは最高!
クリスマス時期には、当店で活躍するアルバムですよ!
1965年発表の9枚目のアルバム。
ブライアン・ウィルソンがツアーから降り、スタジオワークに専念した最初のアルバム。
海や車についての歌詞を一掃し、複雑でちょっと地味にも思えるメロディーラインと、かねてから意識していたフィル・スペクターの ”ウォール・オブ・サウンド”風の分厚いサウンドを前面に押し出した意欲作。
シングルカットされた「Dance, Dance, Dance」は全米8位、
「Do You Wanna Dance」は12位、
「Please Let Me Wonder」は52位を記録。
アルバムも全米4位を記録。
彼等にとって2曲目の全米第1位になった「Help, Me Ronda」は、次の「Summer Days (and Summer Nights!!)」にも入っていますが、僕はToday!版の方が好きです。
◆「Summer Days (and Summer Nights!!)」
1965年発表。
LIVEでブライアンの代役として行動を共にしていたブルース・ジョンストンが同アルバムのレコーディングに参加。
アルバム・タイトルとジャケットから「夏の海(サーフィン)への回帰」の印象がありますが、夏の海を描いた楽曲はひとつもありません。
実はブライアンの策略でレコード会社が分からないように実験的な音楽的を実行したアルバムなんですって・・・。
僕等のような素人には、音楽の専門性はどうでもいいんです。
どれだけ聞いて楽しめるかが問題。
このアルバム、すごっく楽しめる1枚ですよ!
シングルカッとされた「Help Me, Rhonda」は、彼等にとって2枚目の全米1位を獲得。
「California Girls」は3位を記録。
アルバム自体も全米2位に輝きました。
その他にも、クリスタルズの「Then He Kissed Me」を改題してカヴァーした「Then I Kissed Her」、「Dance, Dance, Dance」等ご機嫌な曲がイッパイ。
本当に楽しめるアルバムです。
◆「Pet Sounds」
物議を醸した1966年発表のアルバム。
ブライアンが、ドラッグとの出会いやBeatlesの「Rubber Soul」への対抗意識などから、「自分の気持ちを表現してみたい」という意識でできたアルバム。
ポール・マッカートニーがこのアルバムを絶賛し、同アルバムに対抗し「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」を制作した話は有名。
ポールが言ったからなのか、音楽専門家やロックファンは「これがBeach Boysの最高傑作だ!」、「このアルバムを聞かない・理解できないやつはBeach Boysを語る資格がない」などと言っていますが、正直な話、僕のような素人には理解できないアルバム。
ブライアン以外のBeach Byosの面々も理解できないくらい革新的なアルバムだったため、歌うのを拒否するという一幕もあったそうです。
また、発売もとのキャピトルもこのアルバムにはかなり困惑したそうで、同アルバムのプロモーションをするどころか過去のヒット曲を集めたベスト盤を発売したそうです。
結果、アメリカではそれまでの陽気なイメージと異なるサウンドで受け入れられないファンが多くアルバムは全米10位に。
このアルバムで僕が好きな曲は、1曲目の「素敵じゃないか/Wouldn't It Be Nice」(全米8位)と「Sloop John B」(全米3位)。
しかもアルバムチャートで26週連続トップ10入りする大ヒットを記録し、この年の「NME」の人気投票では、「トップ・ワールド・グループ」部門でBeach BoysがBeatlesを抜いて1位を獲得しています。
Brianは大好きだし,彼の貢献度も理解していますが、専門家的に「ブライアン=Beach Boys=Pet Sounds信仰」にはいかがなものかと・・・・・・。
◆「Smiley Smile」
1967年発表。
Beatlesのポール・マッカートニーやBirsのアルバムを手掛けたヴァン・ダイク・パークスが参加している摩訶不思議なアルバム。
このアルバムからシングルカットされポール・マッカートニーが「最高のロック・ソング」と評した「Good Vibration」が全米No.1を獲得、「英雄と悪漢」は12位を記録しましたがアルバムは全米41位と振るいませんでした。
しかし、イギリスではUKアルバムチャート9位を記録。
で、何故摩訶不思議かというと、このアルバムでもかなり実験的な音作りをしています。
2曲目の「Vegetables」は、野菜をかじる音やコップに水を注ぐ音をリズム楽器として使った野心作。
「With Me Tonight」は、ほとんど歌詞らしい歌詞のない曲で同一パターンのハーモニーが延々と続き催眠効果を誘因する意味不明の小品。
実験的な音楽が続き「なんじゃこりゃ?」と思って聞いているうちに不思議と引き込まれてしまうアルバム。
最近では、同アルバムの不思議な魅力により再評価され、サイケデリック・ロックの代表作の一つになっているとか・・・・。
◆「Sunflower」
1970年発表。
関係が悪化したキャピトルから離れ、自分達の会社“ブラザー”で制作し、リプリーズから配給された第1弾。
このアルバムは、はしゃぎ回っていた若き日の明るさから、落ち着いた大人の明るさが感じられるアルバム。
ブライアンの「This whole world」、ブルース・ジョンストンの「Deirdre」「Tears In The Morning」、デニス・ウィルソンの「Forever」、斬新な曲「Cool Cool Water」等、キラキラ輝くような佳作がたくさん散りばめられています。
この頃、アメリカでのBeach Boys人気はどん底状態で、このアルバムもあまり売れませんでした。
シングルカットされた「Add Some Music To Your Day」は全米で64位。
アルバムは全米151位とまった惨憺たる結果に・・・。
しかし、イギリスを初めとするヨーロッパでは「Pet Sounds」以降人気が高まり、このアルバムからシングルカットされた「Cotton Fields」がヒット。
◆「Surf's Up」
1971年発表のブラザー・レーベルからの第2弾。
このアルバムは、経歴詐称男ジャック・ライリーの功績が大きい。
何故ジャック・ライリーが経歴詐称男かと言うと、彼がラジオ局のDJをしていたとき、ブライアンのインタビュー後、ブライアンに「自分はロバート・ケネディの友人であること、昔NBCのプエルトリコ支局に勤めていた時にピーボディ賞とピューリッツァー賞を受賞した」等と嘘八百を並べ話したとか・・・。
それをブライアンは信じてしまい、Beach Boysの広報及び管理全般の担当として雇ってしまいます。
ジャック・ライリーは、経歴詐称男ではありますが、才能はあったみたい。
彼はブライアンだけでなくマイク、カール等の中心メンバーに気に入られていたためBeach Boysをコンテンポラリーなバンドにしようと曲作りやライブ活動に積極的に参加。
結果、Beach Boysはライヴ・バンドとして再評価されるようになります。
しかし、彼を嫌っていたブルース・ジョンストンはバンドから脱退してしまいます。
ジャック・ライリーは、大きな功績を残していますが、BeachBoysはブルース・ジョンストンという大きな存在を失ってしまいます。
天才ブライアン×ヴァン・ダイクの「Surf's Up」、ブライアン・ウィルソンにしか作り得ないバラードの傑作「ティル・アイ・ダイ」やブルース・ジョンストンの名曲「Disney Girl」等収録。
アルバムは、全米27位を記録。
1964年発表の初ライブ盤。
同年8月に行われたカリフォルニア・サクラメントLIVEを収録したアルバム。
このアルバムが発売された1964年は、ビートルズをはじめとするブリティッシュ・インヴェイションが始まった年で、アメリカのミュージシャンがどんどん失墜していく中、Beach Boysは人気絶頂期。
同LIVE盤は、彼らにとって初の全米チャートNo.1(4週連続)に。
重要なのは、同アルバムが全米1位に輝いたこと。
ロック・バンドのライブ盤で全米1位を獲得したロック界初のアルバムなんです。
大歓声の中、アルバムの冒頭を飾る「Fun, Fun, Fun」、大好きな「In My Room」、ジャン&ディーンの「The Little Old Lady From Pasadena/パサディナのおばあちゃん」、ディオンの「The Wanderer」、ディック・デイルの「Let's Go Trippin'」・・・・、エンディングの「I Get Around」まで幅広い選曲、そしてライブならではの楽しい演出で大いに楽しめるLIVE盤となっています。
◆「Beach Boys Best」
日本編成のBest盤
1stアルバムから1967年の「Pet Sounds」までのヒット曲ばかり。
初期のBeach Boysが大好きな方には最高のBest盤になっています。
Surfin' (全米75位) 、Surfin' Safari (全米14位) 、、Surfin' U.S.A. (全米3位)、Surfer Girl (全米7位) 、In My Room (全米23位)、Fun, Fun, Fun (全米5位) 、I Get Around (全米1位) / Don't Worry Baby (全米24位)、Dance, Dance, Dance (全米8位) 、Do You Wanna Dance? (全米12位) 、Help Me Rhonda (全米1位)、California Girls (全米3位)、Barbara-Ann (全米2位) 、Sloop John B (全米3位)、Good Vibrations (全米1位/UK1位) 等々。
初期のBeach Boysが大好きな僕のとっては、嬉しくなっちゃう1枚です。
◆サウンドトラック「Cocktail」
1988年発表。
トム・クルーズ主演アメリカ映画のサウンドトラック。
この映画の中からBeach Boysの「Kokomo」が大ヒットし、「Good Vibration」(1966年)以来22年ぶりにBillboard Hot 100での1位獲得。
当店でもリクエストの多い曲。
「Kokomo」は、マイク・ラヴ、プロデューサーのテリー・メルチャー、元ママス&パパスのジョン・フィリップス、シンガーソングライターのスコット・マッケンジーの4人が共作した楽曲。
Beach Boysと関係ないけれど、ジョージア・サテライツがカバーしたSwinging Bluejeansの「Hippy Hippy Shake」も最高です。
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土下座野郎Aチーム (水曜日, 19 4月 2017 19:28)
ビーチ・ボーイズ大好きです!
ペットサウンズ、良いアルバムだと思いますが、ビーチ・ボーイズで一枚選べと言われたら、オールサマーロングやサマーデイズ、リトルデュースクーペと言ったところを挙げますね。
サンフラワーも素敵な作品だと思います。
Tears Drop (金曜日, 21 4月 2017 17:34)
Beach Boys、いいですよね。個人的には初期作品がすきです。