「ミニオンズ」を手掛けたイルミネーション・エンターテインメントは、本当にBeatlesが好きなんだな~、と言うのが最初の感想。
「ミニオンズ」では「Revolution」を、今回の「SING」ではアルバム「Abbey Road」B面最後の「Golden Slumbers」が最初から流れます。
僕等の年代では、もうこれだけで涙モンですが、全編に流れる曲が豪華すぎ。
ポップス、ロック、ジャズ(「TAKE FIVE」、「イパネマの娘」を30年ぶりに聞いた!)、クラシック等々が次から次と流れてくる中、それぞれ色々なハンデやバックグラウンドを抱えている動物たちが、夢に向かって頑張るというストーリー。
破綻寸前の劇場をかつての栄光を取り戻すため、楽天的なコアラのバスター・ムーンが最後のチャンスで回復させようと開いた歌のオーディション。
そこに、人生を変えるチャンスをつかむため、5名の候補枠をめぐり動物たちが熱唱する。
ストーリーはありきたりなんですが、音楽とマッチすると何故か泣けてきます。
特にラストのショーは素晴らしいです。
選ばれた5組のシンガーが、それぞれの葛藤を乗り越えてステージに立ち、渾身の1曲をパフォーマンスする姿、歌は感動ものです。
最終に残ったのが・・・・
実力はあっても認められない鬱屈を抱えながらも自信過剰で傲慢なネズミのマイクが歌うフランク・シナトラの名曲「My Way」。
常にパーティ気分的な陽気さを持ち切れのいいダンスをするブタのグンター
25匹もの子供と仕事に疲れた夫の面倒に追われ、平凡な主婦としての自分に物足りない想いを抱えているブタのロジータが、ひとりの女性としての内なる魅力を覚醒させて歌い上げるテイラー・スウィフトの「Shake It Off」。
(でも何故かお笑いの渡辺直美とかさなります!)
犯罪一家から自由になりたいと願う若いギャングスターのゴリラのジョニーが、ピアノを力強く演奏し歌い上げるのはエルトン・ジョンの「I’m still standing」。
横柄な彼氏を捨ててソロになるべきか葛藤するパンクロッカーのヤマアラシのアッシュが歌う素晴らしいオリジナル曲。
そしてトリを務めるのは、内気で引っ込み思案なゾウのミーナが、もう悩まない、くよくよしないと誓いながらスティービー・ワンダーの「Don't you worry 'bout a thing」を見事舞台をぶっ壊す程の素晴らしくパワフルな歌唱力を披露。
この作品の中で一番の盛り上がりを見せてくれました。
皆がそれぞれ舞台に立ち歌うことで、今までのことから解放され人生のスポットライトを浴びる瞬間、見てる僕等も何か勇気をもらえそうなショーでした。
主題歌はスティービー・ワンダーとアリアナ・グランデが歌う「Faith」。
劇中でBeatlesの「Golden Slumbers」から始まり、ゾンビーズ、レディー・ガガ、ヴァン・ヘイレン、クレイジー・タウン、サム・スミス、バナナラマ、クイーン、ワム!など、新旧織り交ぜて60数曲。
まさにタイトルのごとく「SING! さぁ歌おう!!」と歌が持つ力を改めて感じさせてくれたアニメです。
お薦めの映画です。
是非、映画での原曲が聞ける字幕版をご覧ください。
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