この作家(原紘一さん)の作品は初めて。
「新奇想小説」とあったので星新一の作品を想像して購入。
表題作の「天下り酒場」をはじめ「資格ファイター」「居間の盗聴器」「ボランティア降臨」「ブラッシング・エクスプレス」「ダンボール屋敷」の6話が収録。
どの作品もサラリーマンや主婦の日常生活を素材としてエキセントリックにブラックにアイロニカルにユーモラスに描写。
「ちょっとしたボタンの掛け違いにより、妙な方向へ行ってしまった」と思わせる展開は面白いのですが、着地点はごく普通でガッカリ。
でも、「ブラッシング・エクスプレス」は、実に面白い。
倒産した歯科医院の院長が、歯磨き屋の訪問サービスを始めるという着眼点がとてもユニークで展開も面白い。
現代風刺風で軽い短編小説なので、通勤時等で読むのにはいいのではないでしょうか。
原紘一(著)「天下り酒場」:祥伝社文庫/定価:571円+税
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