「何読んでるの?」と聞く妻に同書を見せると・・・・、「ゲッ!・・・・駄目だ!」と一言。
しかし、現状は深刻なんですよ!
ある資料によると「世界の人口は年に1.18%の割合で増え続けており、2050年には90億人に達する」そうで、FAO(国際連合食糧農業機関)では、「2050年までに60%の食料生産を増やす必要がある」と2012年に発表しています。
実際に世界的な食料危機が起こったら、食料自給率が39%しか無い日本は非常に深刻な状況に陥ります。
これではとうてい国民を養えません。
食肉を簡単に増やしたりするのは大変だし、輸入に頼っているトウモロコシや小麦が入ってこなくなれば、それを飼料とする畜産農家が廃業します。
かてて加えて、太平洋側の南海トラフ巨大地震の発生確率が30年以内に70%の状況。
食糧危機、巨大地震による首都消滅・・・・。
しかし、人間はどんな状況でも生きていかなければなりません。
余談ですが、「僕はどんな状況でも必ず生きている」という、何の根拠もない自信を持っている楽天家なんです。
政治・経済・流通・・・・、全てが停滞したときには生き残った人間はどうやって生き延びるか?
否が応でも、とにかく身近にあるものを食していかなければ生き抜けません。
昔見たスティーブ・マックイーン主演の映画「パピヨン」で、孤島の牢獄で生き抜くためにゴキブリを食べるシーンがありましたっけ・・・・。
そんな時に役立つのが、本書。
著者は、大学の講師を務めながら、NPO法人食用昆虫科学研究会の立ち上げに、昆虫食の普及活動に力を入れている先生。
彼曰く、「地球の人口の爆発的な増加にともない問題視されているのが食糧不足。この危機を克服するために、国連食糧農業機関(FAO)が有効な一手としてあげたのが「虫を食べること」、つまり「昆虫食」。
FAOは報告書の中では、昆虫を「タンパク質や脂肪、ビタミン、ミネラルなどが豊富で、健康的な食用資源」と高く評価しているとのこと。
そう言えば、日本でも古くからイナゴやハチの子、サザムシなどの伝統食が有名ですよね。
一番身近なのは、居酒屋でのイナゴの佃煮。
イナゴの佃煮は美味しいぞ~、大好き!
で、本書によると、「昆虫は栄養豊富(タンパクやミネラルetc)で、牛肉からタンパク質を得ることと、昆虫食から得ることにどういう違いがあるのか」と問題提起。
「昆虫食は、とにかく肉を生産するよりも遥かにコストが低く、身近に存在しているので安くてタンパク源を取ることができる昆虫の“家畜化”が必要」と言う。
現に昆虫は、魚や家畜の飼料として利用されているそうです。
昆虫を食べている魚や家畜を僕らは食べているのだから、元の昆虫を食べられない訳はない!
地球環境保全にも良し、食料危機、地球破滅という非常時に人間は動物性タンパク質をどう摂るかを考える必要に迫られます。
このような状況下においての食材に昆虫はとても重要。
白土三平「カムイの食卓」と同本があれば、生きていける気がします。
最後に具体的なセミの天ぷら、ひとくち虫ピザ、コオロギの揚げせんべいetc.昆虫レシピが紹介されていますよ!
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