Bob Dylanが、ノーベル文学賞を受賞しましたね。
まずはおめでとうございます。
しかし、この受賞に関しては、賛否両論ですね。
僕もビックリしたけど、世の中ではもっと凄いことになっているらしい・・・・。
文学界でもかなりもめているし(AFP=時事「ボブ・ディラン氏にノーベル賞、賛否噴出」)
日経の見出し「ロックを芸術に高めた」という表現に対し、ツイッターで「アカデミズムの優位性を前提とした物言いがいらつく」「『高めた』という表現の時点で間違っている」などの反発が広がっているとか・・・・。
こんなのもめても仕方ないと思うのだけど・・・・・・。
Dylanも沈黙を守らず、素直に感謝し、貰える賞金を全て寄付したらもっとかっこいいのにね。
Bob Dylanのノーベル文学賞受賞は、ちょっと置いといて・・・・、当店のお客様のBob Dylanに対す意見。
・Bob Dylanの歌は上手いのか、下手なのかわからない。
・アコースティク時代がいいのか、バンドを引き連れた時代がいいのか。
・日本人の何割の人がBob Dylanの詩の真意を理解しているのだろうか。
・多分「詩」が良いのだろうけど、洋楽を音とか雰囲気から聞く人間として自分の語学力では十分に詩の意図が汲み取れない。
・音楽として聴くと、歌は下手だし字あまりだし、メロディアスじゃないし・・・・、1枚聴くとドット疲れが出る。
と、ま~いろいろ意見がありますが、日本のフォークソングを始め、ジョン・レノン、ブルース・スプリングスティーンなど世界中のミュージシャンに大きな影響を与えたのは事実。
今回のBob Dylanノーベル文学賞受賞の賛否を決めるのは、皆様!
「Blowing In The Wind/答えは風に吹かれている」。
とりあえず、当店所有Bob Dylanのアナログ・レコードを2回に分けて紹介しますね。
● 「The Freewheelin/邦題:フリーホイーリン」
1963年に発表された2作目のスタジオ・アルバム。
Dylanを一躍有名にした「風に吹かれて」をはじめ、「北国の少女」、「戦争の親玉」、「はげしい雨が降る」、「くよくよするなよ」他を収録。
シングル・カットされた「風に吹かれて」は、PPM(ピーター・ポール&マリー)がカヴァーし世界的にヒット(USAビルボード・シングルチャート2位)。
このお陰でDylanは一躍有名になり、1960年代のアメリカ公民権運動の賛歌とも呼ばれ、現在に至るまでディランの作中最も愛唱されている曲。
同アルバムは、USAビルボード・トップ LPチャートで22位、UKアルバム・チャートで1位を記録。
RIAAによりプラチナ・ディスクに認定されています。
ディラン・バージョンは1994年に、ピーター・ポール&マリー・バージョンは2003年に、それぞれグラミーの殿堂入りを果たしています。
ローリング・ストーン誌が2004年に選出した「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」では14位にランク。
ロックの殿堂の「ロックン・ロールの歴史500曲(500 Songs that Shaped Rock and Roll)」の1曲にも選出されている。
このアルバムはビートルズにも影響を与えたことは有名。
● 「Bringing It All Back Home/邦題:ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム 」
1965年に発表された5作目のスタジオ・アルバム。
同アルバムでロック・サウンドを取り入れ物議をかもし出したことでも有名。
フォーク・ソングにロック・サウンドを取り入れ最初の「フォーク・ロック」アルバムと言われ、後のロックに大きな影響を与えた。
シングル・カットされた「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」は、ディラン自身のシングルで初めてチャート入りし、39位を記録。
「ミスター・タンブリン・マン」は、バーズがカヴァーし、USAビルボード・チャートで1位を記録。
アルバムもUSAビルボード・ LPチャートで最高6位に、UKアルバム・チャートで1位を記録。
アメリカ・レコード協会 RIAA により、1967年8月25日にゴールド・ディスク、2001年12月20日にプラチナ・ディスクに認定。
ローリング・ストーン誌が2003年に選んだ「オールタイム・ベストアルバム500」では31位にランク。
2006年、グラミーの殿堂(Grammy Hall of Fame)入り。
● 「Highway 61 Revisited/邦題:追憶のハイウェイ61」
1965年に発表された6作目のスタジオ・アルバムで、フォーク・ロックの金字塔的な作品。
ボブ・ディランの60年代を代表する名盤です。
このアルバムではオルガンでアル・クーパーがギターでマイク・ブルームフィルドが大貢献しています。
同アルバムは、USAビルボード・トップ LPチャートで3位、UKアルバム・チャートで4位を記録。
RIAAによりプラチナ・ディスクに認定。
2002年、グラミーの殿堂入り。
ローリング・ストーン誌の「2003年オールタイム・ベストアルバム500」では4位、「2004年オールタイム・グレイテスト・ソング500」では、「ライク・ア・ローリング・ストーン」が1位、「廃墟の街が」185位、「追憶のハイウェイ61」が364位にランキングされています。
余談ですが、ロバート・ジョンソンの時にも触れましたが、このHighway 61には様々な伝説が残されています。
1920年代から1930年代にかけて活躍した「ブルースの女帝」ベッシー・スミスが同路線で自動車事故死。
マーティン・ルーサー・キングは61号線にあるモーテルで殺害。
エルヴィス・プレスリーは同路線に沿って立てられた住宅の中で育ち、ロバート・ジョンソンは61号線と49号線の交わる十字路で悪魔に魂を売り渡してギターのテクニックを身につけたという「クロスロード伝説」で知られている。
また、沿線の小さな町がサム・クック、アイク・ターナー、マディ・ウォーターズなどの偉大なミュージシャンが輩出し、故ジョン・F・ケネディ・Jr.なども宿泊したモーテルもあるとか・・・・。
● 「Blonde on Blonde/邦題:ブロンド・オン・ブロンド」
1966年に発表された7作目のスタジオ・アルバムでロック史上初の2枚組アルバム。
同アルバムは、ミックス違いや曲の長さなど少なくとも11種類の異なるヴァージョンが発表されているとかで、標準的なヴァージョンとして確立されていないそうです。
収録の「雨の日の女」「プレッジング・マイ・タイム」「ジョアンナのビジョン」「スーナー・オア・レイター」「アイ・ウォント・ユー」他有名曲多数。
フォークとロックを融合させた音作りの試みがピークに達したものとして、60年代ロックの指標的作品の一つに数えられています。
ビルボード誌トップ LPチャートで最高9位を記録、UKアルバム・チャートで3位を記録。アメリカ・レコード協会 RIAA により、1967年8月25日にゴールド・ディスク、1999年5月5日にプラチナ・ディスク、2003年9月22日にダブル・プラチナ・ディスクに認定。
1999年、グラミー賞の殿堂(Grammy Hall of Fame)入り。
ローリング・ストーン誌の「2003年オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では9位にランク。
● 「Blood on the Tracks/邦題:血の轍」
1975年発表の15枚目のスタジオ・アルバム。
シングル・カットされた「ブルーにこんがらがって」は、ビルボードでチャート31位を記録。
アコースティック・ギターを中心としたシンプルなスタイルが特徴のアルバムです。
ディランのスタジオ・アルバムの中でもベスト・セラーとなったアルバムです。
USAビルボード200チャートで1位に輝き、UKアルバム・チャートで最高4位を記録。RIAAよりダブル・プラチナ・ディスクに認定。
ローリング・ストーン誌の「2003年オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では16位。
これは、1970年代のディランのアルバムとしては最上位。
● 「The Basement Tapes/邦題:地下室 ザ・ベースメント・テープス」
1975年発表のボブ・ディラン & ザ・バンドのスタジオ・アルバム。
同アルバムは、1967年、ディランはザ・バンドと共にBig Pinkと呼ばれた家の地下室で音楽出版社に送るデモテープとして録音したもので、8年目にしてやっと陽の目を見た作品。
当時70曲あまりを録音したらしいぼですが、このうち24曲が同アルバムに収録されています。
休養しながらも旺盛な制作意欲で素晴らしい曲を作り続けていた60年代半ばのディランの姿勢を伝える作品。
地下室での私家録音なので音質が悪いが、ディランやバンドが自分達の楽しみのために自由奔放に作っている雰囲気がとても魅力。
同アルバムは、USAビルボード・トップ LPチャート7位、UKアルバム・チャートで8位を記録。
RIAAによりゴールド・ディスクに認定。
ローリング・ストーン誌が選ぶ「オールタイム・ベストアルバム500」で292位にランクイン。
新曲からの最初のヒットは、PPM(ピーター・ポール&マリー)がカヴァーした「なにもないことが多すぎる」のシングルは、ビルボード「Hot 100」で35位を記録。
イアン&シルヴィア(Ian & Sylvia)も、「怒りの涙」、「クイン・ジ・エスキモー」、「火の車」を録音。
「火の車」は、ジュリー・ドリスコール,ブライアン・オーガー&ザ・トリニティ(Julie Driscoll, Brian Auger and the Trinity)がカヴァーしUKシングル・チャートで5位を記録。
ザ・バーズによる「どこにも行けない」がシングルとしてリリースされ、「なにもはなされなかった」とともに「ロデオの恋人」に収録されています。
またザ・バンドは、「火の車」、「アイ・シャル・ビー・リリースト」、「怒りの涙」を再収録し、1968年7月に発表された彼等のデビュー・アルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」収録。
フェアポート・コンヴェンションは「100万ドルさわぎ」をカヴァー。
● 「Desire/邦題:欲望」
個人的には、一番好きなアルバム。
1976年に発表された17作目のスタジオ・アルバム。
ディランのスタジオ・アルバムの中でも最も売れたベスト・セラー・アルバム。
USAビルボード200チャートで5週連続1位に輝き、UKアルバム・チャートで3位を記録。
RIAAよりダブル・プラチナ・ディスクに認定。
ローリング・ストーン誌が選ぶ「オールタイム・ベストアルバム500」に於いて、174位にランクイン。
A面1曲目の「ハリケーン」は、殺人の冤罪で投獄されたボクサー、ルービン・ハリケーン・カーターの無実を訴えたプロテストソング。
因みにルービン・カーターは19年間の獄中生活、22年間の法廷闘争の末、無罪を勝ち取ります。
その経緯は「ザ・ハリケーン」というタイトルで映画化され、デンゼル・ワシントンが主役を演じています。
「ジョーイー」は1972年にニューヨークで殺されたマフィアのジョーイ・ギャロの追悼歌。
このアルバムを語る際に絶対欠かせない要素が、エミルー・ハリスのボーカルとスカーレット・リベラのヴァイオリンですよね。
個人的に大好きな曲「コーヒーもう一杯」では、もうヴァイオリンの切なげなメロディーに泣けてきちゃいます・・・・。
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