日本でもビートルズ、ローリング・ストーンズに続いて人気のあるリバプール・サウンドといえばAnimalsですよね。
代表曲「朝日のあたる家」は、ひょっとしたら当時ラジオから流れてくるロックの中で一番多かったかもしれません。
Animalsは、イギリス・ニューキャッスル出身のアラン・プライス(オルガン、ピアノ)、エリック・バードン(ヴォーカル)、ヒルトン・ヴァレンタイン(ギター)、チャス・チャンドラー(ベース)、ジョン・スティール(ドラム)の5人で1963年に結成されました。
もともとはニューキャッスルで58年に結成されたアラン・プライスのコンボにエリック・バードンが参加してできたバンド。
このアニマルズの魅力は、何といってもイギリスで最も偉大な白人ブルース・シンガーの一人といわれているエリック・バードンの圧倒的な黒っぽい歌声とアラン・プライスの優れたアレンジ能力によるブルース・フィーリングに満ちたサウンドです。
1964年から65年にかけてヒット曲を量産するのですが、アラン・プライスが飛行機恐怖症のためツアーを拒否しバンドから脱退。
その後も次々とメンバーが脱退。
1966年にエリック・バードンは活動拠点をアメリカ・サンフランシスコに移し、新生アニマルズともいうべきエリック・バードン&ジ・アニマルズ名義で活動を再開。
グレイトフル・デッドやジェファーソンエアプレインなどとシスコ・サウンドの代表格になります。
その当時のヒット曲としては「サンフランシスコの夜」や「スカイ・パイロット」など。
しかし、1968年の2度目の日本公演中に解散。
その後はエリック・バードン&ウォーをはじめ、自身のバンドやソロで活動を続けますが、1975年、そして1983年にはオリジナル・メンバーで一時的にアニマルズを再結成。
そして1994年に「ロックの殿堂」入りを果たしています。
1998年頃からは再びエリック・バードン&ジ・アニマルズ名義で欧米を中心に精力的なライヴ活動を行っているそうです。
●Animalsの代表的な曲紹介
・1964年に発表されたデビュー1stシングル「Baby Let Me Take You Home」は、UK38位、USA19位に入るヒットとなりました。
・2ndシングルは、誰もが知っている「The House Of The Rising Sun/邦題:朝日のあたる家」。
もともとこの曲は、作者不明のアメリカのトラディショナル・ソングで、ボブ・ディランが1962年のデビューアルバムで取り上げています。
この当時、アニマルズはロックンロールの帝王 チャック・ベリーがイギリス公演する際の前座をやることになり、チャック・ベリーに対抗してフォークの名曲「朝日のあたる家」をブルース的な解釈にてスローでダークなアレンジで録音。
重くブルージーなエリック・バードンのシャウトと後半にボリュームを上げて盛り上がるアラン・プライスのオルガンが強烈な印象を残す名曲として誕生。
当時のシングルとしては異例の4分30秒という長さになったにもかかわらず、見事にUKチャート1位を獲得。
2ヶ月後には、USAチャートでも1位に輝きました。
・3rdシングル「I’m Cring」は、UKで8位、USAでは19位を記録。
・次の「Don’t let Me Be Misunderstood/邦題:悲しき願い」は、UKで3位 にUSAで15位を記録。
日本では尾藤イサオがカヴァーし、「♪ 誰のせいでもありゃしない、みんなオイラが悪いのさ♪」 で、大ヒットに・・・。
また、1977年サンタ・エスメラルダ ( Santa Esmeralda ) がラテン・ディスコ風にアレンジして世界的な大ヒットに!
このサンタ・エスメラルダ版は2003年の映画 「 キル・ビル vol.1 」 のサントラにも使用されています。
・「We’ve Gotta Get Out This Place/邦題:朝日のない街」は、UKで2位 にUSAで13位を記録。
この曲はヴァン・ヘイレンもカヴァーしているとか・・・・?
・1965年発表された「Bring it on home to me/邦題:悲しき叫び」は、当時、射殺されたばかりの偉大なR&Bシンガー サム・クックの名曲のカバーです。
・「Boom Boom/邦題:ブーン・ブーン」は、ジョン・リー・フッカーの曲をカヴァー。
・1968年発表「スカイパイロット」。
スカイパイロットの意味は、「従軍牧師」のことで、サイケ系の反戦歌と認識されている。この時期のメンバーとして、ザ・ポリスのギタリスト、アンディ・サマーズが在籍しています。
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