深海の幻の巨大生物~ダイオウイカを世界で初めて撮影に成功した感動の一冊です。
小学校5年生頃だったと思うけど、「世界少年少女文学全集」で読んだジュール・ヴェルヌのSF冒険小説「海底二万里」。
クラーケンのモデルとされる巨大イカが登場し、航行中の船舶を襲撃する場面があるんだけど、挿絵が当時怖ってね・・・・ず~っと気になっていてね・・・・。
その後、このクラーケンがダイオウイカと言うことを知り、何とか実物~動いているダイオウイカを見てみたいと思っていました。
それが何と7月にTVで見れたのです。
ドキュメンタリー番組「NHKスペシャル『世界初撮影! 超深海の巨大イカ』」。
初on airは、今年1月だったそうですが、それは気が付かず、7月にon airされたのを見て・・・、もう感激!!
ダイオウイカは深海に生息する全長10メートルにも及ぶ巨大生物。
だから、これまで生きて動いている姿が撮影されたことがなかったのに・・・。
で、その舞台裏を知りたくってネ、つい同本を購入してしまいました。
このプロジェクトは、10年以上ダイオウイカを追い続けてきたんですって・・・。
欧米では、船を襲ったりする妖怪のようなミステリアスな伝説の生き物として有名なんですが、日本での知名度・認知度はほとんどないようです。
そんな低評価のダイオウイカ、ましてや深海のどこにいるかわからず、いつ撮影できるかもしれない生物に国・研究機関・マスコミが簡単に資金提供するとは思えない。
相当ご苦労されたはずです。
最初に「世界初の映像を撮り、番組にする」と考えたのは、後にNHK深海プロジェクトのメインプロデューサーとなる岩崎さんと、カメラマン河野さん。
1997年、そのダイオウイカを食べるマッコウクジラの群れの写真が小笠原で撮られ、自然科学雑誌に発表されたのを読んだからだそうです。
それに、番組ディレクターとなる小山さん、ダイオウイカ研究の第一人者である国立科学博物館の窪寺さん。
人材は揃ったものの、企画が通らない。
それ故、研究費もでない。
肝心のダイオウイカも姿を見せず、番組制作は何度も暗礁に乗り上げる。
通らなかったダイオウイカの企画書を工夫し、日本では知名度抜群のマッコウクジラを前面に出して企画書を通す、‥等の話。
博士たちのエピソードや予算の苦労話、初めて生きた動いているダイオウイカを見た時の感動など、10年間の出来事をわかりやすく時系列で記述されています。
十数年の歳月をかけて、初めて生きた動いているダイオウイカの23分の動画を撮ったことの意味が、本書でわかります。
釣が大好きで、イカや鬼カサゴ・キンメ・キンキ・アコウダイ等の釣に行きます。
鬼カサゴのタナは、大体100m前後、イカは150mぐらい、キンメ・アコウダイは400m前後になります。
太陽の光が届かなくなるのが水深200mぐらいらしいので、今回の映像を見て、彼らが暗黒世界に生存しているのを実感しました。
発売元:光文社
判型:新書判ソフト
定価:945円(税込み)
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