同書は、嵐山光三郎氏とその仲間達が繰り広げる釣りの本なのですが、ちょっと捻りが入っています。
一口に「釣りの本」と言ってもとても領域が広くってね、ハウツー本、釣り場ガイド的な本、小説・随筆の類、紀行文、学術論文、写真集、漫画‥等があります。
嵐山光三郎氏の本は「つり道楽」と言うように、“釣りを道楽にまで昇華させよう”と言う本なのです。
「~江戸の三大道楽を知ってますか? 園芸に骨董(?)に釣りなんです」
「道楽は隠居のたしなみだよね~」
「道楽」って?
本来の江戸の「三大道楽」と言うのは、園芸(盆栽等)、釣り、文芸(俳諧・和歌・紀行文等)の三ジャンルを言うそうです。
それぞれに奥が深く試行錯誤しながらその世界を極めなければ道楽とは言えないそうです。
だから、それなりの時間とお金が必要になってくるので、道楽と言うのは隠居してからじゃないと本格的にできない世界だそうです。
釣りも慌しくやるのではなく、前日に船宿に入り体調を整え、のんびりと食べられるだけの匹数しか釣らない。
釣り方や釣り上げた魚をどうすれば美味しく頂だけるかを常に研究し、調理した魚を好きな方々に堪能してもらう。
釣りに関して日々研究するなんて、仕事に追われている人には無理だよね。
釣り初心者だった嵐山光三郎が、試行錯誤してハマった釣りの快感。
それを、「趣味としての釣りが、老後の道楽」になるようにしようね、と言っているようです。
一般的によく言われてますが、定年退職後の男の姿だよね。
急に仕事も亡くなり、趣味の無い男は、途方に暮れるそうです。
何か・・・・・・、寂しいよネ! 侘しいよネ!
折角、自分のやりたいことを我慢し、一生懸命会社や家庭に尽くしてきたのに・・・・・。
老後は、夫婦で楽しみましょうよ!!
そこで、小生が最高だと思っているのが故 開高健の「オーパー!」にも引用されている中国の諺から・・・・、
一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい。
三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい。
八日間、幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい。
永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい。
釣りは、最高です。
面白くって、美味しい!
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