光圀といえば水戸光圀なんだけど、僕が知っている水戸光圀といえば、「大日本史」の編纂と映画・TV時代劇の黄門様ぐらい。
特に、「先の副将軍水戸光圀公にあらせられるぞ」の黄門様の方が印象深い。
冲方丁の「光圀伝」には、僕の知らない光圀の幼少時代から73才で他界するまでの人生を描いています。
藩主となるために父・頼房から想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。
“傾奇者(カブキモノ)”を気どり悪友たちとつるんで街に出、生臭坊主を論破し「詩で天下を取る」と調子に乗っていた血気盛んな青年期。
しかし、本物の実力者と出会い、完膚なきまでに打ちのめされる。
その後、“やんちゃ”にも飽き、学問や詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった光圀が真剣に取り組んだのが「大日本史」編纂という大事業・・・・・・。
最愛の妻を病気で失ってからは、独身を通し73歳の人生に幕を閉じる。
何故この世に歴史が必要なのか。
大切な者の命を奪ってまでも突き進まねばならなかった「大日本史」の編纂という大事業に生涯を賭した孤高の虎・水戸光圀の生き様が気持ち良い文体で描かれています。
とっても面白い時代小説です。
「命をかけても、人生思うようにならないことだらけだ。だからといって絶望することはない」という光圀伝、一読の価値あり。
2012年に第三回 山田風太郎賞を受賞しているそうです。
因みに、「水戸黄門漫遊記」では、格さん・助さんを引連れ、世直しの諸国行脚をしていますが、実際は藩主時代の江戸と国元の往復や領内巡検をしている程度で、漫遊したという史実はないということです。
でもね、講談は面白いんですよ!!
講談大好き!
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