1/19(土)の朝日新聞朝刊社会面に「文化審議会が、秋田県の伝統的な狩猟で使われる『阿仁マタギの狩猟用具』を重要有形民俗文化財に新たに指定するよう、文部科学相に答申した」と言う記事が出ていましたね。
この記事を読んだ時、真っ先に頭に浮かんだのが学生時代に読んだ戸川幸夫の「山嶽巨人伝」(写真)。
マタギの世界は、これらの本からの知識しかありませんが、何故か憧れていてね。
マタギというのは、青森・秋田・岩手、それに新潟・山形の一部だけに見られた特殊な社会組織と風俗習慣、宗教をもっている職業狩人のこと。
マタギの起源は平安時代からだそうで、それぞれの土地の名を冠して津軽マタギ、岩手マタギ、仙北マタギ、白岩マタギ、阿仁マタギ等と呼ばれていたそうです。
戸川幸夫の「山嶽巨人伝」は、まさに今回答申された「阿仁マタギ」が主人公なんです。
時代は、幕末から明治の激動の時代。
古い特殊な社会組織と風俗習慣、宗教をもっているマタギが、時代の流れの中で倒幕派か佐幕派かを悩みながら生きていく。
マタギの世界から見た明治維新の小説なんですが、戸川幸夫は、動物を主人公とした「動物文学」「動物小説」というジャンルを確立させた作家でなんで、マタギが狩猟する記述はさすがに迫力満点。
とっても面白い小説ですよ!
(ひょっとしたら、絶版になっているかも・・・・・?)
「阿仁マタギの狩猟用具」が、を重要有形民俗文化財に指定されると良いですね!
*戸川幸夫
東京日日新聞(現毎日新聞)出身。
1954年に高安犬を書いた動物文学である「高安犬物語」で直木賞を受賞。
高安犬(こうやすけん)は、山形県東置賜郡高畠町の高安地方で飼われていた日本犬の一種で、優秀なマタギ犬として、熊などの獣猟や五目猟に使われていたが、昭和初期に絶滅した犬。
動物を主人公とした「動物文学」「動物小説」というジャンルを確立させた作家であり、西表島に生息しているヤマネコ/イリオモテヤマネコの標本を確保し、イリオモテヤマネコを世に知らしめたことでも有名。
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