書いて良いものかどうか、本当に迷いましたが、17日土曜日の当店貸切は“彼”の足跡の一つでもありますので、拙い文章ではありますが記録しておきたいと思います。
“彼”のお名前は、「紋谷 税(もんや ちから)さん」といいます。
紋谷さんは、癌の再発により医師より「親しい人に会っといたほうが良い」と宣告された方です。
「親しい方、お世話になった方々お一人づつお会いし、ゆっくりお話をしたいのですが、残されている時間がどうも少ないような気がする。・・・・皆さんに失礼とはおもいますが、一堂に介してお話しできる場所が欲しい。・・・・そこで、お店を5時間貸し切らせて下さい」ということで今回の運びとなりました。
当日は悪天候にもかかわらず、約60名の方がお集まりくださり、5時間みっちりお話をされていました。
紋谷さんとお友達の山田さんが当店にいらっしゃるようになったのは今年の初め頃だと記憶しています。
いつも二人で好きなお酒を飲み、ニコニコしながら好きな曲を聴いている姿がとても微笑ましく、「死に直面」している姿など微塵も感じられませんでした。
しかし、現実には残された時間がとても少なかったんですね。
生あるものは必ず滅びるものであり、人間にも必ず「死」は訪れる。
だから、人間の死は、年功序列が一番だと思うけど、そう思い通りにいかないのが現実。
いつ病気を患ったりアクシデントに見舞われたりするかわかりません。
だから悲劇が生まれる。
現在、彼の年齢は50代半。
と言うことは癌が発症したのは40代前半だと思うけど、自分がその年齢に癌の宣告を受けた時、どのような精神状態でいられただろうか。
絶対に取り乱しただろうし、自暴自棄になっただろう・・・・。
ましてや十数年、癌を見つめながら日常を生きていく勇気や精神力は・・・・・。
それを考えると、目の前の死を見つめながら淡々と自分の人生を歩んでいる紋谷さんの精神力には敬服し頭が下がる思いです。
20時20分には、紋谷さんに会いに来たすべてのお客様がお帰りになりました。
「マスター、30分だけ時間を下さい」ということで、ご自分の大好きな38 Specialの「Caught Up in You」etcを聴きお帰りになりました。
紋谷さん、また笑顔を見せに来てくださいね!!
待ってますよ!!
●追記
紋谷さんが大事にしていた約80枚前後のレコードを17日に寄贈くださいました。
これから徐々に整理し、アルバムリストに追加していきます。
紋谷さん、ありがとうございます。
大事にしますからね!!
●紋谷さん関連のサイト
http://www.monya-united.org/topics_detail1/id=12
http://www.facebook.com/chikara.monya
●紋谷さんが大好きな曲「Caught Up in You」を収録したアルバム「38 Special/Special Forces」
38 Specialは、レーナード・スキナードのロニー・ヴァン・ザントの弟ドニー・ヴァン・ザントと隣人のドン・バーンズが中心になり1975年に結成されたサザン・ロック・バンド。
1982年発表のシングル「Caught Up in You」がビルボードNo.1を記録。
アルバムも1981年発表「Wild-Eyed Southern Boys」、1982年発表「Special Forces」、1983年発表「Tour de Force(1983年)」の3作がプラチナ・レコードを獲得しています。
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