「この1冊」、猛暑でなかなか進まず、本日になってしまいました。
今回は、別役実 「当世病気道楽」をご紹介します。
別役実といえば、サミュエル・ベケットの影響を受け、日本の不条理演劇を確立した第一人者。
小生が別役実と出会ったのは学生の時。
新宿紀伊国屋で別役実戯曲集「マッチ売りの少女 像」を偶然手にしたのがきっかけ。
「マッチ売りの少女」が抱える深い闇と狂気、被爆によるケロイドの背中を見せ物にしたいと思っている病人が主人公の『象』など、絶望的な孤独に耐えようとする人間の姿を描いた作品に慄いたのを覚えています。
でも、今回は別役実のもう一つの顔~生物学の常識を覆す奇書のふりをしたジョークエッセイ「~づくし」作品群から「当世病気道楽」の紹介です。
この本、とにかく面白いんです。
抱腹絶倒!!
病気を趣味にしてポジティブな人生を送ろうという本なんです。
何時の頃からかは忘れてしまいましたが、挨拶代わりに病気の話をしている自分に気づいた事はありません?
それも自慢げに・・・・・。
そう、病気はある年齢になってから結構会話のネタになり、病気が多い人ほど日常会話がスムーズになるようです。
こうなると同じ趣味を持っている者同士の会話と同じですよね。
別役実先生曰く・・「趣味の中でも病気を趣味にすることこそ究極の愉しみといえるだろう。病気を敵視し、憎み、戦うばかりでなく、冷静に観察し、究極には病気を愉しむ。ヒトの進化はここまで来たのだ!!水虫も腹痛も脱毛症もガンだって愉しめる!?」。
別役流病気を趣味にする方法・・それが別役実の「当世病気道楽」です。
病気でクヨクヨしていても始りませんよ。
病気も味方にしてポジティブに人生を送りましょう!!
で、暑さに弱いのも「病気」かな~?
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