●Quatermass 「1st」
リッチー・ブラックモアに愛されたバンド
名盤として必ず紹介されるバンド。
QUATERMASSは、1970年にジョン・グスタフソン(Vo&Bas)、ピート・ロビンソン(キーボード)、ミック・アンダーウッド(ドラム)が結成したトリオ・バンド。
Quatermassは、Deep Purple人脈の一つとして語られることが多い。
と言うのは、1950年代からさまざまなバンドで音楽活動を続けてきたジョン・グスタフソンがエピソード・シックスというバンドに迎えられ、ピート・ロビンソンとミック・アンダーウッドのふたりと知り合ったことがQuatermass結成となりましたが、エピソード・シックスというバンドは、Deep Purple加入前のイアン・ギランとロジャー・グローヴァーが在籍していたバンドなのです。
この二人がDeep Purple加入のためにエピソード・シックスを脱退したためにジョン・グスタフソンがバンドに迎えられたという。
また、Deep Purpleを脱退してRainbow(当初は「Richie Blackmore's Rainbow」)を結成したリッチー・ブラックモアが、Rainbowのデビュー・アルバムに於いて「Black Sheep Of The Family」をカヴァーしていることからも、クォーターマスがディープ・パープル人脈のバンドとして語られる理由でも有ります。
ギターレスのトリオ編成でありながら、同じスタイルのELPとは違いあくまでヴォーカル重視で聴かせる分かりやすいサウンドです。
オルガンをバックにしたパワフルな歌唱には英国的な哀愁と叙情とを含んでおりプログレ的な展開美も楽しめます。
有名なヒプノシスによるこのプテラノドン・ジャケットのアルバムは、1970年に発表されたQuatermassのオリジナル・メンバーによる唯一のアルバムでハモンドオルガンが鳴り響くプログレ風味のハード・ロック。
前衛的で先鋭的な実験性を孕み、1970年前後のロック・ミュージックというものが持っていた熱気のようなものが溢れています。
たった一枚のアルバムだけを残したクォーターマスだが、それだけにこのアルバムは「ブリティッシュ・ロック」に於ける秘宝のような輝きを放っており必聴盤だと思います。
A面2曲目の「Black Sheep Of The Family」は、Richie Blackmore率いるRainbowの1stアルバム「邦題:銀嶺の覇者」でカヴァーされています。
アルバムのクライマックスは10分を超える大作「Laughin' Tackle」は、ジャズ・ロック風に展開するインストゥルメンタル曲ですが、途中にドラム・ソロやストリングスも加えた演奏はなかなかスリリングな魅力を放っています。