2023年
2月
20日
月
資料を読んで驚いたのは、作曲家としての下積み時代に彼を支えていたのが、あのマレーネ・ディートリッヒとか・・・。
若い方はご存じないでしょうが、マレーネ・ディートリッヒはベルリン出身の女優。
1930年代からはハリウッド映画に進出し俳優・歌手として活躍した大スターで、第二次世界大戦中には反ドイツの立場でドイツの歌謡曲「リリー・マルレーン/Lili Marleen」を唄った伝説の歌手。
そんな大スターの彼女が50年代、バカラックが不遇だった時期にマレーネ・ディートリヒが彼の才能を見抜いてバックに起用したそうです。
凄い人に支えられていたんですね!
ディオンヌ・ワーウィック ジーン・ピットニー
トム・ジョーンズ ダスティ・スプリングフィールド
スタイリスティックス カーペンターズ
バカラックはその後、作詞家のハル・デヴィッドと出会いコンビで作詞作曲を開始。
ディオンヌ・ワーウィックのヒット曲「Don't Make Me Over」やカーペンターズもカヴァーしている「(They Long To Be)Close To You」など、後世に残る数々の名曲を発表。
コンビは1970年代まで続き、“バカラック・サウンド”と呼ばれる独特のスタイルを生みだしています。
1960年代から映画音楽の世界でも活躍。
映画「何かいいことないか小猫チャン」、「アルフィー」、「007/カジノ・ロワイヤル」、「明日に向って撃て!」、「ミスター・アーサー」などのサウンドトラックを担当。
特に1969年、映画「明日に向って撃て!」ではアカデミー作曲賞、歌曲賞を受賞。
B.J.トーマスが歌う挿入歌「雨にぬれても」は大ヒット!
1981年に映画「ミスター・アーサー」で再びアカデミー歌曲賞を受賞した。
1996年には、映画「グレイス・オブ・マイ・ハート」の主題歌をエルヴィス・コステロと共演し、アルバム「Painted from Memory」でグラミー賞を受賞。
2008年にはグラミーで生涯功労賞を受賞しました。
これまでに彼の楽曲をカヴァーしたアーチストは1000人以上とか。
中には、スタン・ゲッツやピアノの名匠マッコイ・タイナー、ビル・エヴァンス、ウェス・モンゴメリー、ジョージ・ベンソン等など超有名なジャスミュージシャンも数多くカヴァーしています。
Burt Bacharachは時代を超越した大スターでしたね。
本当にお疲れさまでした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
《 当店でBurt Bacharachの作品が聞ける所有レコード 》
・ジーン・ピットニー 「恋の痛手」(1962)
・トム・ジョーンズ 「何かいいことないか、子猫ちゃん」(1965)
・ダスティ・スプリングフィールド 「恋の面影」(1967)
・スタイリスティックス 「ユール・ネバー・ゲット・トゥ・ヘブン/邦題:遠い天国」(1973)
・1962年の映画「リバティ・バランスを射った男/原題:The Man Who Shot Liberty Valance」:ジョン・ウェインとジョン・フォードのコンビ最後の西部劇。
ジーン・ピットニーが歌ってヒットした同タイトル曲は、この映画のために作られた楽曲ですが、作中では使われませんでした。
・1965年の映画「何かいいことないか子猫チャン/原題:WHAT'S NEW, PUSSYCAT?」の主題歌を トム・ジョーンズSir Thomas Jones Woodwardが歌いう大ヒットしましたが、作中では使われませんでした。
・1967年の映画「007 カジノロワイヤル Casino Royale」。ご存知イアンフレミングの作品で主題歌「恋の面影」をダスティ・スプリングフィールドが歌い大ヒット。
・1969年の映画「明日に向って撃て! Butch Cassidy and the Sundance Kid」
・1981年の映画「ミスター・アーサー Arthur」
2023年
2月
13日
月
1981年封切の「炎のランナー」は、1924年に開催されたのパリ・オリンピックの陸上競技を題材とした映画。
真のイギリス人になるために走って栄光を勝ち取ろうとするユダヤ人ハロルド・エイブラハムスと神のために走るスコットランド人牧師エリック・リデルという実在の二人のランナーを描いています。
封切と共に作品も音楽も世界的に大ヒットし、アカデミー賞の作品賞や作曲賞など4部門を受賞。
本当に素晴らしい映画です。
Vangelis と言えば、リック・ウエイクマンの後任でYESに入るとの噂があったシンセサイザー奏者。
こりゃ~聞かなければ・・・、と思っていたのですが・・・、いつの間にか月日がながれ・・・・。
お店オープン後、
Led Zeppelinが大好きなMさんが嬉しいことにこのオリジナル・サントラ盤をプレゼントしてくださいました。
Mさん、本当にありがとう!
今でも、心から感謝!
「炎のランナー」のオリジナル・サウンドトラックは、第54回アカデミー賞作曲賞(Best Original Score)を獲得し、米ビルボード・アルバムチャートで4週連続1位を記録。
シングルカットされたオープニング曲「タイトルズ/原題:Chariots of Fire」もシングルチャートで1位を獲得しています。
Vangelisを世界的に有名なシンセサイザー奏者にしたこのサントラ盤を聴きながらHugh Hudson監督を偲びたいと思います・・・・。
ところで、Mさんお元気にしてらっしゃるかしら?
また遊びに来てくださいね!
2023年
2月
06日
月
昨年末から、重要アーチストの訃報が次から次に・・・・。
2022年10月にJerry Lewis、11月にWilko JohnsonにIrene Cara。
今年に入ってから、Jeff Beck、David Crosbyが亡くなり、そしてTelevisionのTom Verlaineが1月28日に逝去。
Tom Verlaine享年73歳。
僕より一つ年下ですよ!
残念です。
合掌!
報道によるとTelevisionは、ニューヨーク・パンクの大御所だとか・・・。
Televisionがパンク・バンドだったとは・・・・、はじめて知りました。
パンクは、ロックンロールのスタイルでシンプルなコード進行だけの曲を勢いだけでガシャガシャとギターをかき鳴らす音楽スタイルかと思っていました。
King Crimson、U.K.、Asia等々で活躍したJohn Wettonもある雑誌で「パンク・バンドはギターをガシャガシャかき鳴らし、全くギターの技術が無い音楽集団」と言っていたし・・・。
僕もそのように思っていましたので、彼の死亡報道を読んだ時ビックリでした。
僕にはTelevisionの音楽性は従来のパンクの姿勢とは違い、衝動的かつ破滅的な面は感じられず、パンクバンドとしての印象は皆無です。
イメージしたパンクロックに比べるとアート的なセンスに溢れた音楽性を持つバンドだと思っています。
Tom Verlaineがリードボーカルとギターを務めたTelevisionは1973年に結成。
1977年にデビューアルバム「Marquee Moon」を発表。
このアルバムは、とても不思議な魅力に溢れたアルバム。
パンクのアルバムって単純だしすぐ飽きてしまう(個人的な感想ですが・・・・)感じなのに、全く飽きません。
すごく癖になるアルバム。
Tom Verlaineの独特なハイトーン・ボイスとクールで官能的なギター・プレイが特徴的。
ローリングストーン誌によると「1977年に発表された一連の作品のなかでも最も面白く、大胆で、なおかつ不穏」であると評し、ローリングストーン紙の「歴代最高のアルバム500選」の第107位に選出。
2003年に「NME」が発表した歴代ベストアルバムで「Marquee Moon」は、Stone Roses「ザ・ストーン・ローゼズ」、Pixies「ドリトル」、Beach Boys「ペット・サウンズ」に次いで4位という高順位に選ばれています。
Tom Verlaineは、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第56位、2011年では第90位に選定されてます。
Talking Head、Boomtown Rats、U2、REM、Sonic Youth等、多くのミュージシャンに影響を与えたTom Verlaine。
お疲れさまでした。
ゆっくりお休みください・・・。
写真は、2ndアルバム。
商業的には上手くいかず、発表後Televisionは解散。