2015年
2月
08日
日
お店を始めてから、まだ一度もリクエストがないバンドはたくさんあります。
その一つがTangerine Dream。
リクエストがないから、有名じゃないかと言うと・・・、実はとても有名でロック界において重要なバンドなんです。
そのTangerine Dreamの中心人物であるエドガー・フローゼが、1月20日オーストリアのウィーンにおいて肺塞栓症でお亡くなりになりました。
享年70歳。
1967年に結成されたTangerine Dreamは、ジャーマン・ロックの中では珍しいシンセサイザーだけのグループでドイツ電子音楽のパイオニア。
電子音楽、プログレ、ニューエイジ・ミュージック、テクノ等多様な音楽ジャンルの源流になっています。
でも、Tangerine Dreamの音質は、この手のグループによくある無機質な感じはなく、温もりのある綺麗なメロディーが特徴。
結成当時のメンバーは、エドガー・フローゼ、クラウス・シュルツ、コンラッド・シュニッツラーというメンバーでしたが、現在では日本人ヴァイオリニスト山根 星子さんという人も加入し4名編成になっているようです。
余談ですが、日本の作曲家 喜多郎は、クラウス・シュルツの元でシンセサイザーを勉強したそうですよ・・・・。
Tangerine Dreamの中心人物 エドガー・フローゼが亡くなってしまったのは、本当に残念です。
当店所有のTangerine Dreamのレコード。
●「Phaedra/フェードラ」
1974年発表。
当時開発されたばかりのミュージック・シーケンサーを全面的に使った作品。
それまでに例のなかったシーケンサーによる反復リズムとムーグ・シンセサイザーによる瞑想音楽は当時とても新鮮で衝撃的でした。
このころ行き詰まりつつあったプログレに新風を吹き込んだと評価され、世界的にもヒットした作品です。
● 「Aqua/アクア」
1974発表のエドガー・フローゼのソロ1作目
「Aqua/アクア」は、「水」の意を表す言葉で、水の音とシンセサイザの効果音が素晴らしい作品です。
● 「Sorcerer/恐怖の報酬」
1977年発表のサントラ盤。
映画「恐怖の報酬」は、本来1953年制作のフランス映画で、中米を舞台に危険なニトログリセリンを運ぶ仕事を請け負った4人の男達を追うサスペンス映画。
この映画をウィリアム・フリードキン監督、ロイ・シャイダー主演でリメイクした1977年の映画。
このサントラ盤は、ホラー・SF系の映画の典型的なスタイルを作り、世界的のも高く評価されました。
映画もとても面白いですよ!!
●「Encore/アンコール LIVE」
1977発表。
このアルバムは、1977年の北アメリカ・ツアーを収録したLIVE盤。
Tangerine Dream絶頂期の作品。
2枚組LPアルバムだけど・・・・、4曲しか入っていません。
それだけ、1曲が長いと言うこと・・・・・。
でも、でも・・・・、僕にとっては最高のアルバムです!!
● 「Cyclone/サイクロン」
1978年発表。
曲の中に初めてドラムを採用し、これまでのTangerine Dreamのイメージを覆した作品。
発表当時、賛否両論でしたが、プログレやTangerine Dreamに馴染みの無い方々にも聞きやすいアルバムだと思います。
瞑想的でメロディアスな曲、軽快なロックンロールなど、ポップなアプローチを見せた異色作。
● 「Ages/エイジ」
1978年発表。
「妻と息子に捧ぐ」とクレジットされたソロ4作目。
このアルバムも、2枚組みの大作。
ロック的で親しみやすい音作りになっています。
● 「Force Majeure/不可抗力」
1979年発表。
「Tangerine Dreamの最高傑作!」と言う評論家もいらっしゃるアルバム。
この作品からドラマーが正式に加わり、かなりロックバンド的になっています。
美しいピアノの響きにゆるやかなシンセ、そこにギターまで加わりとてもメロディアスなシンフォニックロックとなっています。
● 「White Eagle/ホワイト・イーグル」
1982年発表。
ポップ・テイストが漂、とても聴きやすい作品に仕上がっています。
Tangerine Dreamの音って・・・、何と優しいんでしょうか・・・・・・。
本当に心が休まり癒されます。
曲が長いので、お店でお聞かせするのは難しいものがありますが、「Phaedra/フェードラ」、「Encore/アンコール LIVE」、「Force Majeure/不可抗力」は、是非聞いてみてください。
Edgar Froeseに合掌!!